HODGE'S PARROT

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”メルセデスベンツ・ファッションウィーク”より




NYで開催されたMercedes-Benz Fashion Weekの模様が YouTube で見られるようだ。
『ファッション・ポリス/Fashion Policeプラダを着た悪魔The Devil Wears Pradaでお馴染みの Robert Verdi 氏をホストに、デザイナーのインタビュー、新作/コレクションのコンセプト、バックステージの様子までが映し出されている。
登場するセレブたちの豪華さ──ドナルド・トランプ氏がいた、まだ健在なのか──にも目を奪われる、ニューヨークならではの活気に満ちた──briskly efficient──ファッションシーン。2007年秋のコレクションだ。


Mercedes-Benz Fashion Week in Review


Celebrity Trends Feature


Mercedes-Benz Fashion Week kicks into high gear today as a lineup of seventy-seven designers present their Fall 2007 Collections. The runway shows in the iconic Bryant Park Tents will occur over eight days in four venues named The Tent, The Promenade, The Salon and The Showroom.



GayWired.com


で、何よりも注目したいのがメンズウェア
ジョン・バートレット(John Bartlett)、ペリー・エリス(Perry Ellis)、ラコステ(Lacoste)が↓の映像でフューチャーされている。もちろんモデルの cool guy も、だ。
Menswear: John Bartlett, Perry Ellis, Lacoste


奇抜なデザイン性よりも、テーラーリング技術へのこだわりが感じられ、好感が持てる。それにしてもラコステのアーティスティック・ディレクター、クリストフ・ルメールChristophe Lemaire)は若いな──フランス訛りの英語で「セクシー」や「クール」と発話する彼こそチャーミングだ。


[Perry Ellis]

[The New York Times : Fashion & Style]

On the men’s side, John Bartlett sent out a mature collection that had some of the sweetness of his first shows as a designer, when he could be inspired by Charlie Brown. There were ribbed sweater vests and herringbone trousers, a loden coat with subtle trim at the cuffs and a great-looking suit with a patchwork of shiny and matte black fabric.

[Lacoste]

[Christophe Lemaire]

Christophe Lemaire travaille le sens des vêtements avec l’idée d’un utilitaire chic, de pièces fonctionnelles et élégantes.




イケル・コース(Michael Kors)は、レディース、メンズともエレガントで素晴らしい。
Michael Kors Highlight


[Michael Kors]



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[Mercedes-Benz Fashion Week]
http://www.mbfashionweek.com/


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フランケル≪吸血狼男≫≪ザ・プリズナー≫




8つの交響曲や5つの弦楽四重奏曲など「シリアスな」音楽を数多く書いたイギリスの作曲家、ベンジャミン・フランケル(Benjamin Frankel、1906 - 1973)は、『バルジ大作戦』(Battle of the Bulge*1を始めとする映画音楽の分野でも大活躍をした。
その中でも「ハマーフィルム・プロダクション」(Hammer Film Productions)という、怪奇・ホラー・カルト映画史にその名を轟かす英国の「弱小スタジオ」──cheap to produce but nonetheless appeared lavish──の映画のために作曲した音楽がある。
テレンス・フィッシャー/Terence Fisher 監督、オリヴァー・リードOliver Reed 主演の『吸血狼男』(Curse of the Werewolf)がそれだ。

この1959年*2製作のハマー・フィルムのための楽曲をメインにしたCDがナクソスから出た。世界初全曲録音という快挙だ。演奏は、カール・デイヴィス指揮、ロイヤル・リヴァプールフィルハーモニー管弦楽団

Curse of the Werewolf

Curse of the Werewolf


実際の映画は観たことがないのだが*3、『吸血狼男』というタイトルだけで、どんな映画なのか想像がつく。そしてそこに付された音楽も……。
そう、素晴らしく「総天然色ホラー」な音楽。バルトークストラヴィンスキー新ウィーン楽派ブレンドしたようなサウンドとでも言おうか。「復讐と逃亡」とか「致命的な変身」、「恐怖に慄くレオン」というサブタイトルがそのイメージを喚起するが、音楽はそれを裏切らない。こういう暗いロマンティシズムを帯びた「現代音楽の響き」は大好きだ。

The Wolfman [VHS]

The Wolfman [VHS]

  • 発売日: 1997/07/22
  • メディア: VHS



[オリヴァー・リード/Oliver Reed]

1958年叔父キャロルのすすめで俳優に転進。野性的で無愛想な風貌と雰囲気が買われて、怪奇ホラー映画で有名なハマー・フィルムの低予算作品に次々と起用される。1961年主演の『吸血狼男』が好評で一躍注目を浴びる。


以後、ホラー映画のカルトスターとしてキャリアを全うするかと思われたが、激動の60年代の荒波が英国演劇界の異端児である彼を一躍メインストリームに押し上げる。 マイケル・ウィナー監督と組んだ1968年のアクション作品『脱走山脈』がヒット。 奇才ケン・ラッセルにも起用され、1969年『恋する女たち』、1971年『肉体の悪魔』、1975年『Tommy トミー』といった話題作に出演。リチャード・レスター監督の1973年『三銃士』、1974年『四銃士』で演じたアトス役は当たり役となる。




ウィキペディア より

ピーター・グレンヴィル監督の『ザ・プリズナー』(The Prisoner、1955年製作)にしても、「牢獄」、「猫と鼠」、「枢機卿と尋問者」、「マインド・ゲーム」、「市民の不安」、「孤独の監禁」、「闇」……といった「不穏な名前」を持つ音楽の独創的な響きに魅了される。それもそのはず、なんといってもここにはセリー技法が導入されているのだ。解説によれば、『ザ・プリズナー』は、英国で最初にセリアル・テクニックが用いられた映画音楽だという。

The Prisoner [VHS]

The Prisoner [VHS]

  • メディア: VHS

映画音楽は、実験的/前衛的手法の宝庫で、その響きは鮮烈だ。



[ベンジャミン・フランケル関連]


Hammer Quartermass Film Collection

Hammer Quartermass Film Collection



それと指揮をしているカール・デイヴィス(Carl Davis)であるが、この人も映画やテレビドラマ──とくにBBC関連のやつ──の製作に深く関わりあっている人だ。例えばサイレント映画、とくにチャーリー・チャップリンの映画音楽の「復刻」。作曲では、ケン・ラッセル監督、D.H.ロレンス原作の映画『レインボウ(虹)』、BBC放送のTVドラマ『プライドと偏見』(Pride and Prejudice)など。

また、コルンゴルトの『女王エリザベス (エリザベスとエセックスThe Private Lives Of Elizabeth & Essex)』の完成版をレコーディングしたのもカール・デイヴィスだ。そういえばコルンゴルドは、ウィーンで「シリアスな」音楽を書いた後、ハリウッドで大成功を収めた音楽家であった。

Chaplin;Film Music

Chaplin;Film Music

Charlie Chaplin: The Essential Film Music Collection

Charlie Chaplin: The Essential Film Music Collection

  • 発売日: 2006/04/18
  • メディア: CD



そしてカール・デイヴィスと言えば、ポール・マッカートニー作曲の『リバプール・オラトリオ』(Paul McCartney's Liverpool Oratorio)の初演者としても著名だろう。演奏はもちろんロイヤル・リヴァプールフィルハーモニー管弦楽団だ。

リバプール・オラトリオ DVD

リバプール・オラトリオ DVD



[Carl Davis]

*1:このバルジ大作戦だが、何かホラー映画か小説関係の文献で見かけたことがあるな、とずっと気になっていて、ピアノもろくに弾けなかっ……飯もろくに喉を通らなかった。が、判明した。滝本誠 著『きれいな猟奇 映画のアウトサイド』。ホラーというよりも「パルプな」──そう、クエンティン・タランティーノが絶賛する──作家チャールズ・ウィルフォード関連でだ。

きれいな猟奇―映画のアウトサイド

きれいな猟奇―映画のアウトサイド

  • 作者:滝本 誠
  • 発売日: 2001/09/01
  • メディア: 単行本
”軍隊でのウィルフォードは、まさにプロフェッショナルな殺人機械に自分を変貌させ、第二次世界大戦では戦車舞台の一員としてヨーロッパを流転する。顔とお尻に負傷したものの、バルジ大作戦などでその戦績を認められ幾多の勲章を得た「戦争英雄」にもなっているのだ。育ちの劣悪さと戦争の異常体験が、痛みなく、ユーモアすら滲み出させる投げやりなウィルフォードの文体の基礎となったことは推測できる。”第七章「ノワールの不条理の彼方へ」p.319

*2:1961年とも

*3:さっき YouTube でさわりだけ観た。