この記事を読んで、アルバン・ベルク弦楽四重奏団/Alban Berg Quartett によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲をずっと聴いていたら──ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中で僕の一番好きな第14番 嬰ハ短調 Op.131 のフィナーレの、あの激しく心揺さぶる音楽を聴いていたら、いてもたってもいられなくなり、チケットセンターに電話をして当日券の有無を確認、すぐさまサントリーホールへ向かった。
プログラムは、
そしてアンコールに
素晴らしい演奏会だった。解散公演という特別なコンサートに立ち会うことができてラッキーであった。ハイドンの《最後の言葉》に始まり、この四重奏団がその名を冠した作曲家アルバン・ベルクの傑作、そして最もウィーンらしい音楽家、シューベルトの大曲。38年間に渡って、第一線で活躍してきたカルテットの最後の公演(Farewell Tour)に、まさに相応しい曲目であった。
ベルクの、あの12音技法を採用した精密な《抒情組曲》を、アルバン・ベルク四重奏団の演奏で聴くことができて、本当に嬉しかった。そして長調と短調が揺れ動くシューベルト作品を聴きながら──もうこれで最後なんだな、と長大なフィナーレを聴きながら、目頭が熱くなってきた。
演奏が終わった後、メンバーたちは何度もステージに現れ、聴衆の盛大な拍手(スタンディングオベーション)に応えた。これもまた、感動的な場面であった。アンコールのハイドンの作品《日の出》も、絶品であった。
素晴らしい音楽を、ありがとう。
皆が満足できるうちに アルバン・ベルク四重奏団解散へ [朝日新聞]
今回、本番直前まで意見を闘わせるメンバーの姿に驚くホール関係者もいた。いまだにあうんの呼吸などない、という。「筆の速いモーツァルトすら、たっぷり時間をかけてハイドンにささげる六つの弦楽四重奏曲に取り組んだ。四つの弦楽器で宇宙をつくるのは大変な行為。いくら努力しても足りない」
アルテミス・カルテットなど、次代の室内楽団も数多く育てた。今後は、指導や指揮などそれぞれ活動を続ける。「大切なのは自分ではなく音楽だ。そう後進に伝えたい」
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