凄いのは、ウィキペディアの「オンド・マルトノ」の解説。是非ご覧あれ。
もう<神>だよ。英語版どころか独語版、仏語版も遥かに凌ぐこの情報量。
オリヴィエ・メシアンの『トゥランガリーラ交響曲』をはじめ、アンドレ・ジョリヴェ、アルテュール・オネゲル、マルセル・ランドフスキ、トリスタン・ミュライユ、さらには映画音楽にも触れている。素晴らしい。
とくにメシアンの『トゥーランガリラ交響曲』(1948)は、僕の大好きな楽曲のひとつで、以前いろいろなCDを聴きくらべたことがある。
「トゥーランガリラ」とはサンスクリット語に由来するもので、メシアンによると、それは愛の歌を意味すると同時に、歓び・時・運動・リズム・生と死への讃歌でもあるということだ。しかもその「愛」は小市民的喜びや昔の律儀な人たちの静かな幸福感などではなく、「あらゆるもの超越し、みちあふれ、思慮分別を失なわせる、無限の超人的な歓び」、つまり、トリスタンとイゾルデの媚薬によって象徴される愛である。
一枚選ぶとしたら、それはやはりエッサ・ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団のCDだ。とにかくクリアカットな演奏で、リズムのキレには舌を巻く。ピアノはポール・クロスリー、オンド・マルトノはトリスタン・ミュライユ。
Turangalila Symphony / Symphony 3
- アーティスト: Messiaen,Lutoslawski,Salonen,New Stockholm
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1987/01/01
- メディア: CD
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それと忘れてならないのが、以前も書いたトマ・ブロシュによる『オンド・マルトノのための作品集』(NAXOS)。これ一枚で「電子楽器」としてのオンド・マルトノのサウンドを十分に堪能できる。官能的でありながら、なんとも奇怪な音。不思議な魅力を放つ楽器だ、オンド・マルトノは。
- アーティスト: Thomas Bloch,Bohuslav Martinu
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 2004/09/21
- メディア: CD
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