HODGE'S PARROT

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こい! 魔王ダンテとともに




ファウスト』→『黒死館殺人事件』→『神曲』と読み散らしていたところ、突如、永井豪の『魔王ダンテ』のシーンが「悪夢」のように甦り、再読を余儀なくされた。↓は講談社版であるが、僕が読んだのは中公文庫コミック版だ。

魔王ダンテ 1―オリジナル版 (KCデラックス)

魔王ダンテ 1―オリジナル版 (KCデラックス)

魔王ダンテ 2―オリジナル版 (KCデラックス)

魔王ダンテ 2―オリジナル版 (KCデラックス)

魔王ダンテ 3―オリジナル版 (KCデラックス)

魔王ダンテ 3―オリジナル版 (KCデラックス)


やはり面白かった。『デビルマン』のような完結というカタルシスはないが、神と悪魔の転倒ぶりが素晴らしい。悪魔への虐待に心を痛める宇津木涼──すなわち悪魔の味方「ダンテ」が、「戦おうメドッサ!」と悪魔軍団結成の号令を発し、「こい! 魔王ダンテとともに」と叫ぶラストは、実に感動的だ。


〔『魔王ダンテ』あらすじ(ウィキペディアより)〕

高校生・宇津木涼は登山中、氷に閉じ込められていた巨大な悪魔・魔王ダンテを復活させるが、その餌食とされる。しかしそれに対する涼の怒りは凄まじく、逆にダンテの体を乗っ取ってしまう。平凡な生活に戻り、自身の存在に悩む涼だが、現代社会に隠れ住む悪魔を虐げる、神の教えを守る者たちへ疑問を持つようになる。


そして悪魔メドッサによって、悪魔と呼ばれるものたちの事実を知らされる。超古代、恐竜の生息する地球で平和に繁栄していた先住人類の街ソドム(ソドムとゴモラに由来)に、宇宙から「神」と名乗る不定形エネルギー生命体が飛来、自分たちの入れ物としての人間の肉体を要求した。そしてそれを断った先住人類に対し、「神」はその分身である牛頭馬頭などに人間の五体をバラバラにして生かす等活地獄など、あらゆる地獄を発生させて人類を殺戮する。それに対抗した科学者・ダンテは自分が発明した飛行兵器で神に挑もうとするが、「神」の分身、そして偶然居合わせた翼竜ティラノサウルス・レックスに襲われ、死にかかるが「神」を倒すまでは死ねないという怒りが、兵器、「神」、翼竜ティラノサウルスなどと合体し巨大な悪魔「ダンテ」が誕生する。そして同様の合体現象が次々と起こり、悪魔が続々と誕生。神は方法を変え、ゴモラを洪水で滅ぼし、世界各地に棲息していた類人猿に分散寄生し、彼らを現在の人類として進化させ、「神」の敵として「悪魔」を殺し続けてきたのだ。


しかし現代、既に神はその記憶と共に力の大部分を失い、悪魔のほうが優勢となっていた。記憶を取り戻したダンテ=涼のもとに、続々と生き残っていた悪魔たちが集結してくる。自分たちの敵である「神」=人類を滅ぼす時機が来たのだ。ダンテは世界中の悪魔に向かって叫んだ。「来い、魔王ダンテと共に!!」。

「魔王ダンテ」オリジナル・サウンドトラック/元倉宏(CCCD)

「魔王ダンテ」オリジナル・サウンドトラック/元倉宏(CCCD)