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KEROUAC--ケルアックに何が起こったのか?

Kerouac-ケルアックに何が起こったのか? [DVD]

Kerouac-ケルアックに何が起こったのか? [DVD]

「きみの歩く道は? 聖なる道か、狂人の道か、虹の道か、群れた小さな魚のような道か、どんな道だ? どんな道でもいい。どんな人間にも、どんなふうにか道はあるんだ!」
1957年、秋──第三次世界大戦の悪夢を描いた未来小説『渚にて』を蹴落としてベストセラーのトップに踊り出たのは一冊の不思議な小説だった。とりたててこれという筋もなければ、物語らしい構成もない。しかも文体は詩とも散文ともつかぬまま延々と続く一人称のナレーション……。
だが、従来の文学的常識をまったく無視したかのようなこの型破りの”小説”には、これまで誰も知らなかったような青春群像の冒険が描かれていた。小説のタイトルは『路上』(オン・ザ・ロード)。




ティーヴ・ターナージャック・ケルアック 放浪天使の歌』(室矢憲治 訳、河出書房新社)p.9

明日(2006年1月20日)19時より、青山ブックセンター本店で、ビート・ジェネレーションの旗手ジャック・ケルアックのドキュメンタリー『KEROUAC--ケルアックに何が起こったのか?』の無料上映会とDVD即売会が行われる。

本作はビート世代のみならず、20世紀を代表する彼の素顔と作品に焦点を当て、生前の貴重なインタビューと映像、盟友ウィリアム・バロウズアレン・ギンズバーグのコメントなどを交えてその生涯を振り返るドキュメンタリー作品である。


ケルアックと言えば、ワイルドでカッコイイ小説『路上』や『孤独な旅人』が有名だけど、しかしなんといっても作家本人がハンサムでカッコイイからな。例えばこんなセリフ。

セオリーじゃないぞ、アレン。書くことを書くことたらしめるのは、今ここでおこっているスウィートなこと、ダークなこと、マッドネス、そういうことのすべてなんだ!


Windblown World: The Journals of Jack Kerouac 1947-1954

Windblown World: The Journals of Jack Kerouac 1947-1954

On the Road (Penguin Orange Collection)

On the Road (Penguin Orange Collection)

西部史上最悪の大吹雪が一行の行く手を覆った。雪が終われば次はどしゃ降り雨。ぬかるみに突っ込み、前身泥だらけになって車を道に戻し、飢えと寒さに震えながら、それでも明日を恐れぬ冒険者たちは、笑顔とお喋りだけは絶やさず走り続けていた。
「脱げよ、脱げよ、みんなで素っ裸になっちまおうぜ!」──寒さの次は激しい日照り。三人は裸でフロント・シートに並んで座り、驚いた対向車線のトラック・ドライバーたちが道を踏み外すのを見ては、腹を抱えて大笑い。
それはこの時代の人々が誰も経験したことのないワイルドな旅だったのだ。




ジャック・ケルアック 放浪天使の歌』p.167-168

ジャック・ケルアック―放浪天使の歌

ジャック・ケルアック―放浪天使の歌

ケルアック

ケルアック


それとケルアックの仲間で美男子ニール・キャサディ(Neal Cassady)も注目だ。

「爆発的なエネルギー、聞く者を圧倒するカリスマ的お喋り、精悍な容姿、そして一目会うだけで男も女も魅了してしまうあの笑顔。もしニール・キャサディと会ったら、シャルル・ドゴールはまちがいなく『回想録』に彼の名を書き残していただろう」と六〇年代アメリカの若者たちに大きな影響を与えた作家、ケン・キージーは言う。




ジャック・ケルアック 放浪天使の歌』p.115

ハイでいろ、動き続けるんだ、自分のすべてをくれてやれ


by ニール・キャサディ

Collected Letters, 1944-1967

Collected Letters, 1944-1967