HODGE'S PARROT

はてなダイアリーから移行しました。まだ未整理中。

オリヴィエ・メシアン『主の降誕』



突然、天使に天の大軍が加わって……

メシアン:オルガン曲集

メシアン:オルガン曲集


サイモン・プレストン演奏による「メシアン:オルガン曲集」から『主の降誕』(LA NATIVITE DU SEIGNEUR)を聴く。

この作品は以下の9曲からなり、各曲にはそれぞれ聖書の文言が引用されている。1935年、作曲者自身によりトリニテ教会で初演された。

  1. 聖母とみどり児
  2. 羊飼いたち
  3. 永遠の摂理
  4. 御言葉
  5. 神の御子たち
  6. 天使たち
  7. エスは苦しみを受けたもう
  8. 東方の三博士
  9. 神はわれわれのうちに


CDの解説によると、『主の降誕』は、メシアン独自の音楽技法が集約された重要な作品で、「移調の限られた旋法」「逆行不可能なリズム」をはじめとして、音程、和音、リズム、形式に至る様々な技法が縦横無尽に張り巡らされているそうだ。そして言うまでもなくカトリック信仰に基づく「神学的な観念」の表出も。
……とは言うものの、これらの音楽を聴いてると、ときどき笑みがもれる。あまりにも面白い音楽なんだもの。例えば「天使たち」のチロチロした音形。「御言葉」の華麗極まりない、まるでシンセサイザーのようなサウンド。「神はわれわれのうちに」のノリノリのリズム。
神秘主義は愉しい。メシアンの音による色彩を感応するのは、悦ばしい。感覚が擽られる。

Suddenly a great company of the hevenly host appeared with the angel, praising God and saying,
"Glory to God in the highest, and on earth peace to men on whom his favor rests,"




Luke 2:13-14