観終った後、冷静に考えれば、ちょっと荒唐無稽だったり、ラストが唐突だったりとケチを付けたくなるが、観ている最中は、逆転、また逆転のコンゲームに有無を言わさず引き込まれていた。さすがは『郵便配達夫は二度ベルを鳴らす』や『アンタッチャブル』の脚本を手がけたデビッド・マメット。ヒッチコックの『知りすぎた男』ばりの展開──主人公が四方八方塞がり状態に陥る──にスリラー映画の真髄を見た。
いちおう粗筋、データなんかはここで。
http://event.yahoo.co.jp/docs/event/gw99/movie/mv16.html
まあ、こういう映画なので、あまり深く考えずにジェットコースターに乗るような気分で観れば十分楽しめる。ミステリーやスパイ小説のファンは是非。また「日本人」の不思議な活躍も唖然とするくらい印象的。もしかしてこの映画のスタッフは日本のマンガ(特に劇画)のファンなのかもしれない。
……だけれども、やっぱり個人的なフィルター(またはフレーム)で観てしまう。だって主演が『ロングタイム・コンパニオン』他のキャンベル・スコットなんだもん。まあ要するにタイプってことで……それで彼は技術屋の役ということで知的に眼鏡を掛けているのが良し。しかも技術屋なのに、スーツを着こなし、全然ナードじゃない。そして何より嬉しいのは、恋人役のレベッカ・ピジョンとヤラないってことだ……レベッカの方が迫ってくるのにね。
それとこの結末。もちろんまるっきり同じではないが、こういう着地のドラマってどこかで見たことがあるなあ……って記憶を手繰っていたら、思い出した。小泉今日子主演のTVドラマ『少女に何が起こったか』だ。
[The Spanish Prisoner 公式サイト ]
http://www.sonypictures.com/classics/spanishprisoner/
[キャンベル・スコットのファンページ]
http://cscompanion.tripod.com/