HODGE'S PARROT

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『ザ・プレイヤー』 The Player/1992/アメリカ 監督ロバート・アルトマン

これぞ「ハリウッド映画」。 強烈な皮肉と適度な内輪(映画)ネタが抜群に面白い。しかも、展開がスムーズなので、映画的「教養」やメタな構成がぜんぜん鼻につかず、心地よく映画「それ自体」を楽しめることができる(いや、ジュリア・ロバーツブルース・ウィルスらが脇役──ゲストか──で出演しているところは鼻につくか?)。
何よりもスリルとサスペンス、セックス、そしてあれで──あのストーリーで──「ハッピーエンド」なんて!(というより、「ハッピーエンド」になるのか、この映画が<真正の>「ハリウッド映画」に<なる>のかどうかが、最高のサスペンスだった) 
さすがアルトマンだ。

なので、引用される過去の映画やその「テクニック」をいちいち示すなんて野暮の極み(というより、観客の動静も俎上に挙がっているのを忘れてはならない)。一人でほくそ笑んでいればそれで良い。なので、趣味の感想に徹する。

アルトマン作品では、必ずと言ってもいいほどハンサムな男が登場するが、 今回は主役でもあるティム・ロビンス。ダブルのスーツをエレガントに着こなし、様々なショットで彼の魅力が映し出される。しかも IMDb に「male-frontal-nudity」というキーワードがあるように、ボカシが入るのは彼の裸体に対してだ。
ただ気になるのは、彼がセクハラまがいのことをされるところ。彼は警察署で性的な質問をされ、憤るのだが、その質問をする警察官は黒人女性。多分ここには「大仰に言えば」一種のジェンダー撹乱の狙いがあるのだろう。

それにもかかわらず、すべての場面においてティム・ロビンスが魅力的なのは……何の狙いがあるのだろう。