昨年12月と9月のパリ旅行でルーヴル美術館は、ほぼ制覇した。それによって以下のように「総括」してみたい──ルーヴル美術館で最も美しい絵画作品、それはフランス新古典派の画家イポリット・フランドラン作の『海辺に座る裸体の青年』である、と。
Jean Hippolyte Flandrin (1809-1864) : Jeune Homme Assis au Bord de la Mer
異論は受け付けない。
で、先日、僕がルーヴル美術館に行ったとき、この絵は19世紀のフランス・アカデミー絵画のところではなくて、ルーヴル内の展示会のような場所に掲げてあった──展示会のタイトルが「肉体と死」とかそういう感じのものだったのだけど、フランス語はよくわからないのでw
『海辺に座る裸体の青年』は、より時代の古い聖人を描いた絵画、そしてフランシス・ベーコンの肖像画と同じ平面に掲げられていた。その向かい側には現代写真──ナン・ゴールディン(Nan Goldin)の作品もあった。
裏側にはオルセー美術館所蔵のギュスターヴ・クールベ『世界の起源 The Origin of the World』などもあった。
イポリット・フランドランの『裸体の青年』をどのような位置から眺めて欲しいのか、というルーヴル美術館側の作為がなんとなくわかるような、でもちょっと雑多なんじゃないなか…とも思ったり。どうも展示会の「中心」がクールベ作品のようであるし(多分この絵が展示室の中央に位置していたのではないかと思う)、人の流れもクールベのまえで止まるし…。
個人的にはこちらのブログの人がやっているように*1、イポリット・フランドランの『裸体の青年』を中心にその「フランドラン・ポーズ」の変容=発展をまとめて観てみたい、美術展でぜひ。
Wilhem von Gloeden (1856-1931) : Caino
イポリット・フランドランの作品に関しては ART CYCLOPEDIA でデーターベース化されている。
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