HODGE'S PARROT

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そのときには、あなたの祭壇に雄牛がささげられるでしょう 〜 ミゼレーレ



聖週間・受難週のために、いろいろと音楽を集めて、資料も準備していたのだが……ヨハン・セバスティアン・バッハはデフォだけど、他にも普段あまり聴かない華奢なフランス系あたりも──例えばフランソワ・クープランマルカントワーヌ・シャルパンティエらの《ルソン・ド・テネブル》とかね。
でも受難(Passion)から復活、そして栄光へ行く前に、一曲だけ。個人的にもパッション系のほうが好みだし、それに、無性にテキストを「打って」、薄汚い差別主義者関連のエントリーと「深き淵」を空けておきたくなったので。
音楽は、以前もエントリーしたことがある、グレゴリオ・アレグリ/Gregorio Allegri の、とても繊細で美しい《ミゼレーレ》(Miserere mei, Deus)を。この曲は映画『モーリス』でも使用された*1。テキストは詩篇51(Psalm 51ウルガータ訳聖書では50)より。

Miserere Mei Deus - Kings College Chapel Choir

神よ、わたしを憐れんでください
御慈しみをもって。
深い御憐れみをもって
背きの罪をぬぐってください。
わたしの咎をことごとく洗い
罪から清めてください。


あなたに背いたことをわたしは知っています。
わたしの罪は常にわたしの前に置かれています。
あなたに、あなたのみにわたしは罪を犯し
御目に悪事と見られることをしました。
あなたの言われることは正しく
あなたの裁きに誤りはありません。


わたしは咎のうちに産み落とされ
母がわたしを身ごもったときも
わたしは罪のうちにあったのです。
あなたは秘儀ではなくまことを望み
秘術を排して知恵を悟らせてくださいます。
ヒソプの枝でわたしの罪を払ってください
わたしが清くなるように。
わたしを洗ってください
雪よりも白くなるように。
喜び祝う声を聞かせてください。
あなたによって砕かれたこの骨が喜び踊るように。
わたしの罪に御顔を向けず
咎をことごとくぬぐってください。


神よ、わたしの内に清い心を創造し
新しく確かな霊を授けてください。
御前からわたしを退けず
あなたの聖なる霊を取り上げないでください。
御救いの喜びを再びわたしに味わわせ
自由の霊によって支えてください。


わたしはあなたの道を教えます
あなたに背いている者に
罪人が御もとに立ち帰るように。


神よ、わたしの救い主よ
流血の災いからわたしを救い出してください。
恵みの御業をこの舌は喜び歌います。
主よ、わたしの唇を開いてください
この口はあなたの賛美を歌います。


もしいけにえがあなたに喜ばれ
焼き尽くす献げもの(燔祭、holocaustum)が御旨にかなうのなら
わたしはそれをささげます。
しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。
打ち砕かれ悔いる心を
神よ、あなたは侮られません。


御旨のままにシオンを恵み
エルサレムの城壁を築いてください。
そのときには、正しいいけにも
焼き尽くす完全な献げ物も、あなたに喜ばれ
そのときには、あなたの祭壇に
雄牛がささげられるでしょう。





詩篇51 (新共同訳 聖書より)

*1:

The E. M. Forster Trilogy: A Room With A View / Howards End / Maurice: Original Film Soundtracks

The E. M. Forster Trilogy: A Room With A View / Howards End / Maurice: Original Film Soundtracks