HODGE'S PARROT

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ブラームス-ファンタジー



カルロ・マリア・ジュリーニ指揮&ロサンジェルス・フィルハーモニック管弦楽団による、ブラームス交響曲第1番ハ短調 Op.68 を聴く。ジュリーニブラームスと言えば、ウィーン・フィルとの演奏のほうが有名だと思うが、LA Phil との1982年の録音も僕は気に入っている。ジュリーニらしく遅いテンポ、しかも第一楽章で繰り返しがある──あの荘重なガツンとくるティンパニの打撃音……。
で、その演奏と同じくらい印象的だったのが、CDのカヴァーに使用されているドイツの画家マックス・クリンガーMax Klinger、1857 -1920)の作品であった。
題して『ブラームス幻想』(Brahms-Phantasie)。

書棚にあるアート関連の本をざっと見回してもクリンガーについての情報はほとんどなかったので(以前に『レコード芸術』で見たことがあるような)、Wikipedia を参照すると──。
マックス・クリンガー象徴主義の画家、版画家、彫刻家で、メンツェルやゴヤの影響を受けている。一方、クリンガー自身は、ジョルジョ・デ・キリコらの形而上絵画(Metaphysical art)、シュルレアリスム運動に影響を与えた。ウィーンの分離派館/Vienna Secession にはクリンガー作のベートーヴェン像がある。
また、講談社の『名画への旅20 音楽をめざす絵画』によれば、アルノルト・ベックリン/Arnold Böcklin に傾倒していたクリンガーは、ベックリンの『死の島』(The island of the Dead)の版画による複製を作成した。クリンガーの版画集『ある愛』(Eine Liebe)はベックリンに捧げられている──。
さらに小惑星クリンガー(Asteroid 22369 Klinger)は、このドイツの芸術家にちなんで名付けられたそうだ。すごいんだな。
[22369 Klinger]


そんなクリンガーの作品で個人的にちょっとファンタジーを感じたのが、↓ 。二人の男性の「姿態」とそれぞれのアトリビュートが意味深でファンタスティックだな、と。


それと Amazon.de にあった書籍で印象的だったもの。やはりファンタジックだな。

Eine Liebe, Max Klinger und die Folgen

Griffelkunst. Mythos, Traum und Liebe in Max Klingers Grafik