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ファスビンダーの『聖なるパン助に注意』



Programmes さんのところより。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーRainer Werner Fassbinder、1946 - 1982)の DVD-BOX 3 が紀伊國屋書店から出るようだ。


収録作品は──

ということで、タイトル(邦題)それ自体が……とても強烈で興味を惹く。とくに『聖なるパン助に注意』って、いったいどういう内容なんだろう。気になる── Programmes さんによれば、『聖なるパン助に注意』は、ファスビンダーがエンディングでアメリカのオペラ歌手ベヴァリー・シルズ(ビヴァリー・シルズBeverly Sills、1929 - 2007)の歌う《生きて、裏切り者》(ドニゼッティの『ロベルト・デヴリュー』より)の音源をクリアーせずに使用したため、これまでなかなか見ることができなかったのだという。

Singers Series (Dig)

Singers Series (Dig)


で、今回発売されるDVDで観ることのできる作品は、こんな感じ(テイスト)のようだ。

Katzelmacher 1
'Götter der Pest'
Beware a Holy Whore Trailer


いい感じじゃないか。もちろん僕にとってファスビンダーといえば、ジャン・ジュネの小説を映画化した『ケレル』(Querelle)に他ならない。このテイスト……まるで波止場全体(セット)がクルージンス・スペース付きゲイ・バーのような雰囲気──聖なる水兵どもに注意、だ。グッとくる。

Fassbinder's "Querelle" French Trailer

夜、海に向かっている。海も夜も、わたしの心を静めてくれない。むしろ逆効果だ。一人の水兵の影が通ると、もういけない……闇のなかで、闇のために、水兵は美青年でしかありようがない。船はその横腹に、白と青の制服を着た、愛すべき獣たちを抱えている。この牡どものなかから誰を選ぼうか?



ジャン・ジュネ『ブレストの乱暴者』(澁澤龍彦 訳、河出書房新社) p.163

そういえば……ここのところ、アメリカのTVドラマはよく観ているけど(イギリスも少し、か)、ドイツ映画はまったく観てないなかったな……。というより、だいたい映画館でドイツ映画は上映されてるのだろうか。もっとドイツの芸術を!


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