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メシアン《未完のページ》とトマ・ブロシュ



「他では読めない」(岩波文庫)ではなく、「他では聴けない」ナクソスのディスクの中でも、個人的にとびきりの一枚が『オンド・マルトノのための作品集』。トマ・ブロシュ/Thomas Bloch がオンド・マルトノを演奏しているものだ(クリスタル・オルガンも。ピアノはベルナール・ウィッソン)。

Music for Ondes Martenot

Music for Ondes Martenot


そのトマ・ブロシュがオリヴィエ・メシアンの《未完のページ 第4》を演奏している映像が YouTube にあった。投稿してくれた theondes さん、GJ!
Ondes Martenot / Messiaen 4° Feuillet Inédit by Thomas Bloch

この曲は、メシアン(1908-1992)の死後、夫人のイヴォンヌ・ロリオによって2001年に出版された。三分にも満たない小品であるが、神秘的で、そしてとても美しい──いかにもメシアンらしい音楽だ。




それとトマ・ブロシュによるオンドマルトノの「プレゼン」(後半は↑のメシアンの演奏になる)と「ライブ」も見応えがあった。GJ!
Ondes Martenot presentation (in French) by Thomas Bloch (TV)

Live ondes Martenot in Barbican (London) by Thomas Bloch


[Thomas Bloch]

私は、新しい音色と新しいアタックをほとんど意のままに創り出すことができるオンド・マルトノが大好きです。


「音性(ソノリテ)」という語は、オンドが多数の音色をもっているので、適切ではありません。この楽器特有の音色があり、「オンドの音色」と呼ばれていますが、他にもたくさんの音色があります。その一つで、スピーカーのなかに小さなゴングがあり、金属的残響を持つ楽器の神秘性をもっているので、よく使われる音色は「金属的音色」とか「メタリック」とか呼ばれているもので、強音ではものすごい、悲鳴ともいえる効果ですが、弱音では、反対に、非現実な光彩をもっています。




オリヴィエ・メシアン その音楽的宇宙』(戸田邦雄訳、音楽之友社

オリヴィエ・メシアン その音楽的宇宙

オリヴィエ・メシアン その音楽的宇宙





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