ロベルト・シューマンの連弾&二台ピアノのための作品集がとても印象的だった──珍しい選曲というだけではなく、演奏もすこぶる充実していた──デュオ・ダコール(Duo d'Accord)による、オリヴィエ・メシアンの《アーメンの幻影》とベートーヴェンの《大フーガ》(四手ピアノ版)を聴いた。
メシアン:アーメンの幻影/ベートーヴェン:大フーガ Op. 134 (デュオ・ダコール)
- アーティスト: デュオ・ダコール
- 出版社/メーカー: Oehms
- 発売日: 2011/02/01
- メディア: CD
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- メシアン アーメンの幻影
- 創造のアーメン
- 星たちと、輪のある惑星のアーメン
- イエズスの苦悶のアーメン
- 欲望のアーメン
- 天使、聖者、鳥の歌のアーメン
- 神の裁きのアーメン
- 成就のアーメン
- ベートーヴェン 大フーガ Op.134
期待に違わず素晴らしい演奏を聴かせてくれた──いや、《アーメンの幻影》は、アルゲリッチ&ラビノヴィチ盤や高橋悠治&ピーター・ゼルキン盤という個性的な、アクの強い、あるいは現代音楽のスペシャリストによる「かくあれ - 然り」というような演奏を聴いていたので、それに比べると地味かもな、と正直思っていた。
デュオ・ダコール盤は、録音の良さもあって、”欲望のアーメン”や”成就のアーメン”での重低音もバシバシ聴こえるし、”天使、聖者、鳥の歌のアーメン”のキラキラも「どういう音を弾いているのか」がとてもよくわかる。テクスチュアが明解なのだ──精密なピアニズムを再現している。だからこそ、この曲がどのように「キている」のかも、とてもよくわかる。
賑々しい”成就のアーメン”の後にベートーヴェンが続くのだが、100年以上の作曲年代の差があるにもかかわらず、違和感はまったくない。ダイナミズムはメシアンに負けていない。音楽の愉悦さも、負けていない。実に楽しい。この連弾版《大フーガ》は、自筆楽譜が2005年に発見されて話題になったもので、今回初めて聴いたのだが、改めて、ベートーヴェンの音楽は「キている」な、と思った──それが、とてもよくわかる明解な演奏であった。
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