HODGE'S PARROT

はてなダイアリーから移行しました。まだ未整理中。

革命の音楽 〜 ショスタコとイギリスのミュージシャン



コメントでマーガレットさん書いてくれたようにペット・ショップ・ボーイズのアルバム『Behaviour』に収録されている《My October symphony》は、ソビエト・ロシアの作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィチ交響曲第2番「十月革命に捧ぐ」 Op. 14 にインスパイアされたものであるという。
↓ はマーガレットさんによる必読の解説。


で、ここで紹介されているビデオにグッときた。メロディラインといい、コーラスといい、バラネスク・クァルテット/Balanescu Quartet による弦楽器の音色といい、そしてその画面を彩る「キッチュな」社会主義リアリズム/共産趣味のアイコンの数々……
Pet Shop Boys My October Symphony

Behaviour

Behaviour


ショスタコーヴィチ交響曲第2番のCDは、アシュケナージ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のものをお奨めしたい。何といってもソ連から亡命したアシュケナージが、イギリスの「ロイヤルを冠した」オーケストラを振り、しかもそのカップリングが、ソビエトの革命37周年記念コンサートのために作曲された《祝典序曲》 Op.96 、交響詩十月革命」 Op.131、そしてソビエト体制翼賛&スターリン讃歌ともいえるオラトリオ《森の歌》 Op.81 (スターリン賞第一席を受賞)なのだから──こんな不埒な企画はない!

ショスタコーヴィチ:祝典序曲、交響詩「十月革命」、交響曲第2番「十月革命に捧ぐ」、オラトリオ「森の歌」

ショスタコーヴィチ:祝典序曲、交響詩「十月革命」、交響曲第2番「十月革命に捧ぐ」、オラトリオ「森の歌」



で、ショスタコーヴィチといえば、モリッシーの『Southpaw Grammar』に入っている《The Teachers Are Afraid of the Pupils》を思い出す。
Morrissey - The Teachers Are Afraid of The Pupils (live)

Southpaw Grammar

Southpaw Grammar

《The Teachers Are Afraid of the Pupils》は交響曲第5番 Op.45 がフューチャーされている。レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック管弦楽団による白熱の東京ライブのCDで。




それと、マーガレットさんのPSB《My October symphony》の解説で触れられているショスタコ弦楽四重奏曲第8番 Op.110 。これも大好きな曲なんだ。とくにその第2楽章のアレグロを聴くと、すごく気分が昂揚する。
KeVi Quartet-Shostakovich No. 8(allegro)


私の戯曲には、指導者と大衆の問題、思想的詐術の問題、技術か詩かという問題、プチブルの革命性とプロレタリアの革命性の衝突、試行錯誤する天才と実務的にたけた凡庸さの対立、社会主義大義がたんなる革命の実務能力に転化してゆくさまなどといった問題が見いだせるはずである。……しかしこの悲劇の全般的な特徴、その哲学的構成についていうとすれば、それは弁証法である。




フセヴォロド・メイエルホリド(エドワード・ブローン著『メイエルホリドの全体像』より、 浦雅春訳、晶文社、 p.246-247)*1


[関連エントリー]

*1:

メイエルホリドの全体像 (1982年)

メイエルホリドの全体像 (1982年)