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英内閣改造、マンデルソン氏が復帰



ゴードン・ブラウン首相が内閣改造を行った。注目なのは、マーガレットさんのサイトでもひときわ大きな写真が掲載されているように、オープンリー・ゲイの*1 (ついでにいえばEU欧州委員通商担当であった)ピーター・マンデルソン(Peter Mandelson、b.1953)が、経済担当閣僚に起用されたことだ*2。それと個人的にタイプのエド・ミリバンドEd Miliband、1969)も新設のポストに。

Peter Mandelson returns to the cabinet as Business Secretary/Ed Miliband handed top job at new department



他のメンバーはBBCよりどうぞ。


[http://www.asahi.com/international/update/1005/TKY200810050031.html:title=英内閣改造、重鎮を起用 金融危機への対応アピール] [朝日新聞]

英国のブラウン首相は3日、内閣の一部改造を発表した。欧州連合(EU)のマンデルソン欧州委員(通商担当)がビジネス・企業・規制改革相に就任し、ベケット前外相も住宅担当相として再入閣させた。政権支持率が低迷する中、党の重鎮を起用して世界的な金融危機に対処するための態勢をアピールし、政権浮揚を図りたい考えだ。

 ブラウン首相は改造内閣を「戦時内閣」と位置づけ、「真剣な時期に真剣な人による真剣な仕事が必要」と述べた。若さが売り物の野党・保守党のキャメロン党首との経験の差を際立たせる狙いも透けてみえる。


ブラウン英首相が内閣改造、マンデルソン欧州委員が予想外の入閣 [ロイター]

マンデルソン氏はブレア前首相の下で2度閣僚を務め、ブレア氏寄りとされる。同氏の閣僚復帰は予想外で、低迷するブラウン政権の支持率底上げが狙いとみられている。

 同氏はロイターとのインタビューで「英国民はわれわれの決断や政策力、全体や個人のコミットメントによってわれわれを判断する」とし、政府は変革をもたらす必要があると述べた。

 新設ポストのエネルギー・気候変動相にはエド・ミリバンド氏を起用した。マンデルソン氏の後任にはキャサリン・アシュトン英上院議員が就く見通し。


金融危機に重厚布陣 英内閣改造 [産経新聞]

今回の抜擢人事の背景には党内の反乱分子を押さえ込むためブラウン首相がブレア派を取り込んだ側面もあるが、米国発の金融危機が英国など欧州全域に拡大していることへの危機感がある。ブラウン政権は英大手銀ロイズTSBによる同HBOSの救済合併に積極的に介入し、英住宅金融ノーザン・ロックに続き英中堅銀ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)の住宅ローンなど500億ポンド(9兆3000億円)を一部国有化した。


で、「若さが売り」ではないピーター・マンデルソンに関しては、ブレア寄り(get along)っていうのがポイントかもしれない。マーガレットさんも書いているように、ペット・ショップ・ボーイズ/Pet Shop Boys は”I Get Along”でブレア元首相とマンデルソンの「大人の事情」を歌ったりもしているのだから。
Pet Shop Boys - I get along/E-mail


ただこのPVはどろどろとした「政治」よりも、ブルース・ウェーバーによる麗しき「青春」が主題になっている──ジョゼフ・コンラッドが引用されている*3

そこでみんなは彼に相槌を打った。社長も、会計士も、弁護士も、みんなテーブルごしに相槌を打った──みんな皺の寄った顔を、苦労や惑い、成功や愛の印を刻まれた顔を、人生からいまもなお、つねに変わらず、しきりになにものかを求めている目を、まるで茶色い静かな海原のように映しだしている、よく磨かれたテーブルごしに。そして、そう、そのなにものかは、まだあると思っているうちにもうなくなってしまう──ひと息つく間に、またたく間に、ひっそりと過ぎ去ってしまうものなのだ──青春や、力や、幻影にみちた夢物語やとともどもに。




ジョゼフ・コンラッド『青春』(土岐恒二 訳、集英社) p.353


[関連エントリー]

*1:英政界における有力LGBTの第3位にマンデルソンは選ばれている → The 50 most powerful LGBT people in British politics [Pink News]

*2:そういえば、マンデルソンが今回就任にしたこのビジネス・企業・規制改革相(Secretary of State for Business, Enterprise and Regulatory Reform)は、保守党の影の内閣ではアラン・ダンカン/Alan Duncan 議員がやっていたな……アラン・ダンカンは「50 most powerful LGBT people」の15位にランクイン。

*3:この「アート」作品はDVDで鑑賞したい。

ポップアート [DVD]

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