HODGE'S PARROT

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ヘンシェル弦楽四重奏団のメンデルスゾーン



Mendelssohn: String Quartets

Mendelssohn: String Quartets

先日テレビ放映された演奏がとても印象的だったので(音楽のみならずファッションをも含めた演奏マナーも)、ヘンシェル弦楽四重奏団/Henschel String Quartet によるメンデルスゾーン弦楽四重奏曲全集を聴いてみた。

メンデルスゾーン弦楽四重奏曲は、イザイ弦楽四重奏団/Quatuor Ysaye の演奏で開眼し、とりわけ第2番イ短調 Op.13 は一時期熱狂的に聴いていたことがある。メンデルスゾーンの温和なイメージを打破する激情的な演奏で、かなり重厚な感じがした。
ヘンシェル弦楽四重奏団の演奏は、それとはまた違うアプローチで、新鮮なメンデルスゾーンの音楽を聴かせてくれる。なにより快活でスピーディー、そして内声部の響かせかたなど対位法的な処理にも抜群のセンスを見せる。
例えば、作品番号のない変ホ長調の第4楽章の「フーガ」など、とても小気味いいし、「Four Movements」の《カプリッチョ》の後半のフーガ部分の鋭い切り込みがまた素晴らしい。急速楽章ではキビキビと速く、緩徐楽章ではしっかりと歌いながらもピッチカートのアクセントを忘れることはない。第3番ニ長調 Op.44-1 も清々しく心地よい演奏だ。休日の午前中に濃い目のコーヒーをすすりながら聴くには最適だなと思う。今後も、このヘンツェル兄弟妹+1名から構成されるクァルテットに注目したい。