ベルギー出身のクラリネット奏者 Ronald Van Spaendonck(1970年生まれ) とフランスのピアニスト、アレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud、1968年生まれ)によるフランス音楽アルバム。
French Music for Clarinet & Piano
- アーティスト: Arthur Honegger,Camille Saint-Saëns,Claude Debussy,Darius Milhaud,Francis Poulenc,Gabriel Pierné,Jean Françaix,Philippe Gaubert,Alexandre Tharaud
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
- 発売日: 1997/02/10
- メディア: CD
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クラリネットとピアノのための音楽というと、僕なんかは真っ先にブラームスの二つのソナタやシューマンの《幻想小曲集》といった作品が思い浮かぶ──というより、すぐさまあの仄暗くロマンティックな音楽が頭の中で鳴り響くのだが、このアルバムは、それらとはまた違った肌合いの音楽からなり、その軽妙にして洒脱、そしてアンニュイな響きと戯れることができる。
収録曲は、
- フランシス・プーランク:クラリネットとピアノのためのソナタ
- クロード・ドビュッシー:《小品》《第一ラプソディ》
- ダリウス・ミヨー:《スカラムーシュ》
- フィリップ・ゴーベール:クラリネットとピアノのための幻想曲
- ガブリエル・ピエルネ:Canzonetta
- アルチュール・オネゲル:クラリネットとピアノのためのソナチネ
- ジャン・フランセ:クラリネットとピアノのためのテーマとヴァリエーション
例えば有名なダリウス・ミヨーの《スカラムーシュ/Scaramouche》。通常は2台のピアノで奏されるが、クラリネットとピアノによる編曲によって、旋律が伸びやかに歌われ、クラリネット独特の音色によって曲の持つコミック的なセンスも増している。本当に愉しい音楽だ。フィリップ・ゴーベール/Philippe Gaubert の作品は初めて聴いた。手堅く洗練された、そして良い意味で「軽い」曲だね。
また、プーランクやサン=サーンスのソナタでは、スピーディで明るく軽快で晴れやかな楽章とセンチメンタルで物憂い感じの楽章との対比が見事だ。とくにサン=サーンスのソナタは幾分ドラマティックで聴き応えがある。
ま、ジャケットの「雰囲気」がなんとなく良かったので、普段はあまり手に取らない Musique française を聴いてみた次第。