HODGE'S PARROT

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Musique française pour clarinette et piano



ベルギー出身のクラリネット奏者 Ronald Van Spaendonck(1970年生まれ) とフランスのピアニスト、アレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud、1968年生まれ)によるフランス音楽アルバム。

French Music for Clarinet & Piano

French Music for Clarinet & Piano

クラリネットとピアノのための音楽というと、僕なんかは真っ先にブラームスの二つのソナタシューマンの《幻想小曲集》といった作品が思い浮かぶ──というより、すぐさまあの仄暗くロマンティックな音楽が頭の中で鳴り響くのだが、このアルバムは、それらとはまた違った肌合いの音楽からなり、その軽妙にして洒脱、そしてアンニュイな響きと戯れることができる。
収録曲は、


例えば有名なダリウス・ミヨーの《スカラムーシュ/Scaramouche》。通常は2台のピアノで奏されるが、クラリネットとピアノによる編曲によって、旋律が伸びやかに歌われ、クラリネット独特の音色によって曲の持つコミック的なセンスも増している。本当に愉しい音楽だ。フィリップ・ゴーベール/Philippe Gaubert の作品は初めて聴いた。手堅く洗練された、そして良い意味で「軽い」曲だね。
また、プーランクサン=サーンスソナタでは、スピーディで明るく軽快で晴れやかな楽章とセンチメンタルで物憂い感じの楽章との対比が見事だ。とくにサン=サーンスソナタは幾分ドラマティックで聴き応えがある。

ま、ジャケットの「雰囲気」がなんとなく良かったので、普段はあまり手に取らない Musique française を聴いてみた次第。