HODGE'S PARROT

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ヒラリー・ハーンのブラームスとストラヴィンスキー



アメリカのヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンHilary Hahn、1979年生まれ)の独奏によるブラームスストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲。共演はネヴィル・マリナー指揮 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ。

Violin Concertos

Violin Concertos


ハーンは1979年11月生まれだから、現在28歳。そしてこのCDの録音は2001年、彼女が21歳のときのものだ。
感想は一言、完璧としか言いようがない。
だってこの音程の良さ、指回り、リズム感、そして艶のある伸びやかな音──弓の完全なるコントロールボーイング。どれを取っても、技術的に、文句の付けようがない。
もちろん、ブラームスにはもう少し濃厚でロマンティックな表現が好みの人もいるかもしれない。それはわかる。でも、このストラヴィンスキーは、ヴァイオリン音楽に関心があるならば、どうあっても一度聴いておくべきものではないか。鋭く、大胆、鮮烈、怜悧な刺戟力で迫ってくるスリリングな音楽──素晴らしい演奏だ(ちなみに彼女は、ジャン=バティスト・ヴィヨーム/Jean-Baptiste Vuillaume1864年に製作したヴァイオリンを弾いているとのこと)。


なんだか急にストラヴィンスキーの、不協和音が苦く、しかしそれでいて美しい《アリア》を聴きたくなり、このCDを再生した。