ポール・ケネディの『大国の興亡』*1以降、最もエキサイティングな歴史書と言われるニーアル・ファーガソンの『憎悪の世紀 なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか』(The War of the World: Twentieth-Century Conflict and the Descent of the West)が早川書房から出た。
以前書いたように、ニーアル・ファーガソン(Niall Ferguson、1964年生まれ)はイギリス(スコットランド)の歴史家で現在ハーバード大学教授。『タイム』誌の「世界でもっとも影響力のある100人」にも選ばれた、「欧米でいま最も売れている歴史家」だ。
- 作者: ニーアル・ファーガソン,仙名紀
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/12/20
- メディア: 単行本
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- 作者: ニーアル・ファーガソン,仙名紀
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ま、かなり大部なのですぐには読み通せないが。
若手らしく、ニーアル・ファーガソンは当然ウェブサイトを持っている。
[The official home page of Niall Ferguson]
それと(一応) Wikipedia を見ると、Johann Hari がファーガソンを強く批判しているのが眼に入る。
Johann Hari はゲイであることを公言しているイギリスのジャーナリストで、共和制支持者(Republicanism in the United Kingdom)。『Independent』を始めどちらかと言えば左派系のメディアに多く寄稿している。
[JohannHari.com]
つまり、どちらかと言えば、ニーアル・ファーガソンは右派の歴史家と言えるだろう。彼は保守系シンクタンク、フーバー研究所/Hoover Institution(スタンフォード大学) の上級研究員でもある。
また、YouTube でファーガソンの動画をいくつか見つけた。興味を惹いたのが Charlie Rose がホストを務めるPBS番組の映像。
Charlie Rose - Carly Fiorina / Niall Ferguson
これ、前半がヒューレット・パッカード(HP)の元 CEO兼会長カーリー・フィオリーナ/Carly Fiorina のインタビューなのだが別に意図したわけではないのだろう──多分。
それと蛇足ながら『憎悪の世紀』で訳者が Niall Ferguson の名前の発音を本人に尋ね「ニー + アル」と表記することにしたということだが、Charlie Rose は「ニアル」と発音しているように聴こえる……どちらかと言えば。ま、どうでもいいか……とりわけ「立ち位置」は(笑)。何よりも「欧米でいま最も売れている歴史家」で「影響力のある」人物の著書を日本語で読めることに感謝しなくては。
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