HODGE'S PARROT

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シェリングのバッハ「無伴奏」1955年盤




ヘンリク・シェリングHenryk Szeryng、1918年 - 1988年)による J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』の旧録音。少し前に買っていたのだけれど、やっと落ち着いて聴くことができた。

1955年のモノラル録音……だけれども、何よりも音がとてもいい。このような良好な音質でこの名盤を聴くことができたことにまず感謝したい。
シェリングは好きなヴァイオリニストで、彼の代表的録音でもある1967年のDG盤も好きな演奏の一つなのだが、この旧盤もそれは素晴らしいものだ。《シャコンヌ》はDG盤の方がいいと思いつつも、旧盤のソナタ1番の《フーガ》の力強い表現に惹かれたりする。甲乙付け難い。


ついでにシューマンメンデルスゾーンの協奏曲も聴いてみた。指揮はアンタル・ドラティロンドン交響楽団の演奏。

シューマン:VN協奏曲

シューマン:VN協奏曲


このCDは、シェリングの録音の中でも個人的にとても気に入っているものだ。定番のメンデルスゾーンにちょっとマイナーなシューマンという組み合わせであるが、ヴァイオリン、オケ共々「骨太」と言いたいほどその演奏に力が漲っている。しかも、マーキュリー・リヴィング・プレゼンスという当時としては破格の録音技術が採用されており、クリアーでダイナミックなサウンドになっている。シェリングの技術の冴え、音色の美しさを十二分に聴くことができる。