HODGE'S PARROT

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ウィリアム・カペル



LPジャケット美術館』でもひときわ眼を惹いたのがアメリカのピアニスト、ウィリアム・カペルWilliam Kapell、1922 - 1953)の「どこか影のある」写真であった。

Kapell in Recital

Kapell in Recital

Volume 7: Sonata 3 / Sonata 1 / Sonata Op 19

Volume 7: Sonata 3 / Sonata 1 / Sonata Op 19

Volume 6: Concerto 2 Op 19 in B Flat

Volume 6: Concerto 2 Op 19 in B Flat



カペルは抜群のテクニックを誇るヴィルトゥオーゾであったが、飛行機事故*1によって31歳の若さで亡くなった。彼の容貌は、ハンサムであるがどことなく憂いを感じさせる。演奏も……それは気のせいだろう、たまたま YouTube にあった映像で彼が弾いていたのが、ショパンの晩年のノクターンと《葬送行進曲》だったので。

William Kapell Remembered: Part 2 of 3




William Kapell Edition Vol 4: Prokofiev: Piano concerto no. 3 / Khachaturian: Piano concerto / Shostakovich: Preludes for piano ニューヨークのロシア系ユダヤ人の家系に生まれたカペルは、元ストコフスキー夫人のオルガ・サマロフ(Olga Samaroff)に師事、フィラデルフィア音楽院そしてジュリアード音楽院で学ぶ。
彼の技巧の冴えは、とくにアラム・ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲で窺い知ることができる。強烈な打鍵、的確にコントロールされたタッチ、スリリングなリズム感、振幅のある大胆な表現。
作曲家のアーロン・コープランドも彼のピアニズムを絶賛した。


ウィリアム・カペルに捧げるサイトと、その運営者による YouTube チャンネルがある。
[Site dedicated to Kapell]


また、MySpace にも William Kapell 氏のアカウントがあり、ベートーヴェン氏やスクリャービン氏、現代のピアニスト諸氏がフレンドとして賑わいを見せている。


William Kapell Edition

William Kapell Edition

写真の発揮する魅力は死の形見であるが、同様にそれはまた感傷への招待でもある。




スーザン・ソンタグ『写真論』(近藤耕人 訳、晶文社) p.78