イギリスの対国内防諜担当、MI5 (Military Intelligence, Section 5、情報局保安部）のジョナサン・エバンズ長官（Jonathan Evans）は、中国によるコンピュータシステムへの攻撃を警告する文書を英国企業約300社に送った。
中国の「サイバースパイ」警戒を＝MI5が企業に呼び掛け−英紙 [Yahoo!ニュース／時事通信]
1日付の英紙タイムズは、情報局保安部（MI5）のエバンズ長官が英国の主要企業トップらに対し、中国政府機関が背後にいるネットを使ったスパイ行為に警戒を促したと報じた。英政府が中国による「サイバースパイ」行為を直接批判するのは初めてとみられる。
MI5 alert on China’s cyberspace spy threat [TIMES ONLINE]
A security expert who has also seen the letter said that among the techniques used by Chinese groups were “custom Trojans”, software designed to hack into the network of a particular firm and feed back confidential data. The MI5 letter includes a list of known “signatures” that can be used to identify Chinese Trojans and a list of internet addresses known to have been used to launch attacks.
A big study gave warning this week that Government and military computer systems in Britain are coming under sustained attack from China and other countries. It followed a report presented to the US Congress last month describing Chinese espionage in the US as so extensive that it represented “the single greatest risk to the security of American technologies”.
中国、英企業への電子スパイ活動活発化 ＭＩ５警告 [Yahoo!ニュース／産経新聞]
欧米政府のコンピューターネットワークに対する中国のハッキングは最近、激増しており、背後に中国人民解放軍の関与が指摘されていた。
同紙によると、中国が使用している不正プログラムは「トロイの木馬」と呼ばれ、正体を偽ってコンピューターに侵入、データ消去やファイルの外部流出などの破壊活動を行う。通常のワクチンを使っても防御できないという。中国側は電子スパイを通じて入手した情報をもとに企業買収などの経済活動を有利に進めているとみられる。
今回文書が送られたのは、極秘の企業情報が集まる銀行、会計士や弁護士事務所のほか通信関連企業、水道・電気会社などで、同長官は「中国企業と取引をする際は、電子スパイに見舞われるリスクを考慮すべきだ」と警戒を呼びかけている。
『タイムズ』によれば、今回の「警告」が来年初頭に予定されているゴードン・ブラウン首相初の訪中に暗い影を落とすだろうということだ──タイミング的にも絶妙だし。ちなみに『タイムズ』はルパート・マードック率いるニューズ・コーポレーションの傘下にある。
