HODGE'S PARROT

はてなダイアリーから移行しました。まだ未整理中。

インパーフェクト・スパイ? アレックス・アラン氏



一スパイ小説ファンの判断だが、以下のニュースも、多分、何かしらの「偽装」なんだと思うのだが……。


英スパイ幹部がHPで住所公開、大騒ぎに [Yahoo!ニュース/産経新聞]

ジェームズ・ボンドの母国の英国で、情報局保安部(MI5)、同局秘密情報部(旧称MI6)、政府通信本部(GCHQ)の機密情報を束ねる合同情報委員会(JIC)の議長として承認を受けたアレックス・アラン氏(56)が、自分のホームページで自宅住所や携帯電話の番号まで公開していたことが分かり、関係者をあわてさせている。


何でもアレックス・アラン氏(Alex Allan)、自分のサイトに自宅住所や携帯電話の番号、家族のことを記した経歴書まで掲載していたという。また、グレイトフル・デッドGrateful Dead というアメリカのロックバンド──不吉な名前だ──の大ファンだとか。多分……「釣り」なんだろう……と信じたいのだが。

テレグラフ』も「The most senior British intelligence official」であるアラン氏のグレイトフルな写真を載せて詳説している。


New intelligence chief reveals all on website [Telegraph]

Potentially more serious is the address of his west London house and his home and mobile telephone numbers. The Daily Telegraph has agreed not to publish further details. One security official said: "This is a very serious breach of security. Mr Allan is a target for terrorists and having this information in the public domain is a very naive move on his part. He may well now have to move."


テレグラフ』のような英国メディアでさえ「これ以上の情報は載せることはできません」と断っているので、僕もアラン氏のサイトへの直リンは控えたいと思う。だって、イギリス諜報機関の元締めのような英合同情報委員会(UK Joint Intelligence Committee)の長の人なんだもん。絶対、アクセスした人の情報を収集しているに違いない──やっぱり「釣り」だよね、これ。


また、nofrills さんがこのアラン氏のニュースについて英国各メディアを読んでエントリーされているので、参照のこと。

スパイマスターの個人サイト 〔tnfuk [today's news from uk+]〕

「Deadhead」のニュアンスがとてもよく分ります。



「……ではきみは、むこう見ずにもきみを雇うどんな相手に対しても、無条件で忠誠を誓うかね」
「誓います」
「イギリス人に生まれたことは、人の世の大いなる当たりくじを引くべく生まれついたのだということも、信じているだろうね」
「ええ、じつのところ、それも」
「ではスパイになりたまえ」面接官はいって、机の引き出しからまたべつの申請書を出してピムに渡した。





ジョン・ル・カレ『パーフェクト・スパイ』(村上博基 訳、ハヤワカ文庫) 下巻 p.288-289