地下鉄で「メルケル首相による逆構造改革」云々というタイトルの載った『ニューズウィーク』の中刷り広告を見つけて、ちょっとビビっている──というのも最近「€」で記載された Proforma Invoice を扱うようになったので。
まあ『ニューズウィーク』はこれから読むとして、今週は忙しくて巡回できなかったお気に入りのブログを読んでいたところ、興味深いエントリー(ブーム?)があったので、僕も今更ながら便乗してみたいと思う──まるで船舶運輸のように時間が掛かってしまったが。
「石版!」さん「経由」で知った「私家版世界十大小説」がそれだ。
まず、以下が僕の「十大小説」だ。本当は「小説の神様」であられるヘンリー・ジェイムズの10作でリストを作成できるのだが、いちおう一作家一作品という規範に従っておこう。
- ヘンリー・ジェイムズ 『鳩の翼』
- ジョゼフ・コンラッド 『西欧の眼の下に』(『西欧人の眼に』)
- イーヴリン・ウォー 『ブライズヘッド再び』
- ウィリアム・フォークナー 『アブサロム、アブサロム!』
- ウラジーミル・ナボコフ 『青白い炎』
- ジョン・ル・カレ 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』
- フョードル・ドストエフスキー 『悪霊』
- フランツ・カフカ 『城』
- ディーノ・ブッツァーティ 『タタール人の砂漠』
- ピエール・ドリュ=ラ=ロシェル 『ジル』
とりあえず10作選んだのだが、ジェイムズは『ある婦人の肖像』でも『使者たち』(『大使たち』)でも『ねじの回転』でもいいし、コンラッドは『密偵』も面白い。ナボコフは『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』にしようかと迷った、どちらも超絶技巧の小説だ。ウォーは『大転落』や『囁きの霊園』のようなコメディも気に入っている。
カフカも『審判』や、『断食芸人』『田舎医師』あたりの短編も凄く好きなのだが「長編」にした。ブッツァーティも同様の判断で。
ジョン・ル・カレはグレアム・グリーンの『ヒューマン・ファクター』と交換可。「裏切り」をいかに描くか、がスパイ小説における文学性/スパイ小説の特権だと思う。
そんなこんなでチョイスしていたら、すぐに9作品になってしまった。最後は、いちおうフランスも入れておこうと(カフカはドイツ語作家と看做したので)、多少の悪意を込めて(笑)、ドリュ=ラ=ロシェルを。
上記の10作は僕にとって何らかの形で「資産」(Asset)になっていると思う。ま、その資産の中身を開示するということは、それが強みと弱みの「分析」の材料になるわけであるが、最終的にはそれも費用として計上すればいいかな、と思う。というわけで「やっちまい」ました。
私家版十二大ミステリ
やはりリストアップしておきたくなった。こちらも一作家一作品にしたが、どうしても10作に選びきれなかったので12作で。
- ロス・マクドナルド 『さむけ』
- マーガレット・ミラー 『まるで天使のような』
- アガサ・クリスティ 『そして誰もいなくなった』
- エラリー・クイーン 『Yの悲劇』
- G. K. チェスタトーン 『木曜日の男』
- クリスチアナ・ブランド 『ジェゼベルの死』
- コーネル・ウールリッチ 『喪服のランデヴー』
- フレデリック・フォーサイス 『ジャッカルの日』
- ディック・フランシス 『興奮』
- パトリシア・ハイスミス 『太陽がいっぱい』(『リプリー』)
- 笠井潔 『サマー・アポカリプス』
- 京極夏彦 『魍魎の匣』