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ペロシ議長「ブッシュ大統領は議会の承認を得よ」



ナンシー・ペロシ下院議長/Nancy Pelosi (民主党)が、第一次世界大戦オスマントルコによるアルメニア人大量殺害を「虐殺(ジェノサイド)」と認定する米下院外交委員会の決議案*1を、下院本会議で採決を目指していることについて──なぜこの時期なんだろう、 なぜトルコなんだろう、っていうのが疑問なんだが。



ペロシ下院議長、トルコ「虐殺」決議案の採決実施を明言 [CNN]

決議案は既に米国とトルコの関係を冷え込ませており、ブッシュ政権からの批判を招いている。しかしペロシ議長はABCの番組「ジス・ウィーク」に対し、「決議案は、当時の出来事についての米政府の見解と矛盾していない」と主張した。また、イラク政策や北大西洋条約機構NATO)で米国の重要な連携相手であるトルコとの関係が悪化するとの批判について、ペロシ議長は「(虐殺が起きた)当時を知る人々の多くは非常に高齢であるため」決議案を今採択することが重要であると述べた。


また、共和党のマコーネル上院院内総務は、オスマントルコアルメニア人を虐殺したとの見解に同意する一方、「100年前の出来事を非難するのは良くない」と下院委員会の決議案を批判。トルコが米国と様々な形で連携し、米兵の安全にも深く関与しているなか、下院本会議で決議案を採択することに対して難色を示した。


PELOSI: BUSH MUST COME TO CONGRESS BEFORE ATTACKING IRAN pt1


Congress must approve U.S. attack vs Iran: Pelosi [Yahoo! News/Reuters]

President George W. Bush must seek congressional approval before taking any military action in Iran, unless Tehran attacks the United States first, House Speaker Nancy Pelosi said on Sunday.


"We don't believe that any authorities that the president has would give him the ability to go in without an act of Congress," Pelosi told ABC's "This Week" program.


"Any president, if we are attacked, if our country is attacked has -- even under the War Powers Act -- very strong powers to go after that country. But short of that, he must come to the Congress," said the top Democrat in the House of Representatives.


米民主党、下院本会議で「アルメニア人ジェノサイド」決議採択に意欲 [AFP]

ペロシ議長は米ABCテレビで、米−トルコ関係が悪化するとの観測について、「仮定の話」だと述べ、決議案採択の妨げにはならないとの見方を示した。


 議長は前週、決議案が下院外交委員会で可決された後、「ジェノサイドはルワンダダルフール(Darfur)で現在も行われている」と発言、過去のことであってもジェノサイド非難決議を採択するのは「国家の存立にかかわることだ」と述べていた。


トルコ各地で抗議デモ 「虐殺」決議案 対米関係悪化も [東京新聞]

トルコは米国に、イラク北部を拠点とする反政府武装組織・クルド労働者党(PKK)への対策を求めてきた。だが米国にはPKKに兵力を投入する意思も余力もない。


 トルコは今夏、イランと大規模なガス田開発で合意したが、これに米国が反発したことも、同盟関係にきしみを生じさせた。イラク駐留米軍の燃料や物資はトルコからの輸送に依存しており、国内では協力中止を求める強硬論もある。


Pelosi Says Bush Hasn’t Phoned Her About Turkey and Genocide [New York Times]

Mrs. Pelosi also cautioned the administration about any thought of armed action inside Iran over U.S. complaints that anti-American militants in Iraq are getting help from Iran. Any U.S. action, she said, should take place inside Iraq, and if Mr. Bush does wants to take action in Iran, he will need a congressional authorization. “That’s what I believe,” she said.

トルコのアルメニア人殺害は虐殺 下院委員会が決議案承認 [CNN]

ライス米国務長官とゲーツ米国防長官もホワイトハウスで記者会見し、イラク駐留多国籍軍のペトラウス司令官やクロッカー駐イラク米大使、ファロン米中央軍司令官が決議案への懸念を示したと語った。ライス長官は、何年も前に起きたアルメニア人殺害を非難したい人々の感情に理解を示したうえで、「この時機の決議案採択は、われわれの中東政策にとって大変厄介だ」と明言。トルコが中東政策の戦略的同盟国であり、米国の依存度が高いことを理由に挙げた。


アルメニア人虐殺非難決議を採択・米下院外交委 [日経ネット]

米国とトルコは北大西洋条約機構NATO)やイラクなどでの活動を通じ協力関係にあるが、トルコ側は今後、イラクへの米軍物資搬入の拠点となっている国内軍事基地の使用を制限するなどの対抗策も検討しているもようだ。


米軍、イラクへ代替輸送経路を検討 トルコの協力拒否備え [CNN]

ゲーツ国防長官は最近、イラクへの補給物質輸送で燃料の約7割、装甲車両の95%がトルコ経由との事実を明らかにしている。


Digg」でも熱心に議論されている。

その中で、ちょっとシニックであるが以下のコメントが気になった。

A quick civics lesson: The Democrats do NOT control Congress, the Republicans do & here's why. The Dems pass legislation, it then goes to Bush who vetoes it, it then goes back to Congress who can't overturn the veto without a 2/3rd vote for it, meaning the Republicans have to vote for it, which they never do! Democrat controlled Congress my ass!!!






[「アルメニア人虐殺問題」に関して]

アルメニア人ジェノサイド

アルメニア人ジェノサイド


→ Ararat (2002) 〔IMDb]〕〔Wikipedia en
虐殺の史実『アララトの聖母』 〔All About〕

アララトの聖母 [DVD]

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2006年にノーベル文学賞を受賞したトルコの作家オルハン・パムクOrhan Pamuk 氏は、アルメニア人大虐殺を認めたことによって国家侮辱罪に問われた。

ノーベル文学賞、トルコのオルハン・パムク氏 [朝日新聞]

82年、デビュー作「ジェヴデット氏と息子たち」を出版、トルコで最も権威ある文学賞「オルハン・ケマル賞」を受けた。以後、「静かな家」(83年)、「白い城」(85年)、「黒い書」(90年)と話題作を発表、トルコ内外で多くの支持を得た。


 98年にオスマン帝国末期の細密画師を描いた歴史ミステリー「わたしの名は紅(あか)」を発表、欧州各国の文学賞を受けて世界的ベストセラーになった。同著の邦訳を機に04年に初来日。世俗とイスラムクルド独立問題といったトルコ社会のタブーに切り込み論争を呼んだ「雪」も06年3月に邦訳された。


 昨年2月のスイス紙のインタビューで、オスマン帝国が崩壊し近代トルコが誕生する過程で起きたアルメニア人大量殺害を認める発言をしたとして、国家侮辱罪で起訴された。裁判はトルコの言論の自由をはかる尺度として注目を集めた。

フランスでは、2006年10月に国民議会(下院)で「アルメニア人虐殺否定禁止法」が可決された。
French in Armenia 'genocide' row [BBC NEWS]

エルドアン・トルコ首相の外交顧問、バギス氏は同日、訪問先の米ワシントンで記者団に、「一部の米議員が強硬姿勢を主張しているようだ。こちらも手加減はしない」と述べた。同氏はさらに、フランス議会が昨年同様の決議を出してから、仏機がトルコ領空に一切入っていないことを指摘。決議案が米下院本会議で採択された場合は「仏と同様とは限らないが、なんらかの措置を取る」と言明した。



http://www.cnn.co.jp/world/CNN200710120002.html

2007年1月には、アルメニアトルコ人ジャーナリスト、フラント・ディンク/ Hrant Dink 氏が極右の17歳のトルコ人青年に暗殺された。

アゴス新聞の編集長で有力日刊誌であるザマンの執筆者でもあるフラント・ディンク氏は、本日、イスタンブールアゴス事務所の外で3発の銃撃を受けたという。フラント・ディンク氏(53才)は、人権の普遍性を熱心に訴え、人権活動家やジャーナリスト、有識者とともに多くの演壇に立った。フラント・ディンク氏は、アルメニア人のアイデンティティや1915年のアルメニア人大虐殺の歴史に関するトルコの公式見解に対して、公にかつ批判的に議論しようとすることでよく知られており、広く民主化や人権に関する記事も執筆していた。


「トルコには言論の自由を抑圧する厳しい法律がまだたくさんある。これらの法律は、政府上層部の公式声明や、批判的な討論や反対意見を非難する州や軍当局者と相まって、激しい攻撃が起きるという風潮を創っている」とアムネスティの欧州・中央アジア部の二コラ・ダックワース部長は述べた。