イギリスの作家ドリス・レッシング/Doris Lessing がノーベル文学賞を受賞した。
ノーベル文学賞、英女性作家ドリス・レッシング氏に [CNN]
スウェーデン・アカデミーは11日、今年のノーベル文学賞を英国女性作家のドリス・レッシング氏に授与すると発表した。「女性特有の懐疑、情熱、想像力で文明の対立を深く洞察した叙事詩人」と評価した。
作家としてのデビュー作は、白人農家の妻と、黒人召使いとの関係を描いた、1950年の「The Grass is Singing(草は歌っている)」。
主な代表作として、20世紀における男女関係の視点を探る著書の中でも、パイオニア的な作品となった「The Golden Notebook(邦訳:黄金のノート―Free women)」や、反精神医学を唱えた精神科医ロナルド・D・レイン博士に触発されて著した「Briefing for a Descent into Hell 」、核戦争後の人間の発展を描いたSF的シリーズ作品「Canopus in Argos: Archives」などがある。
Author Lessing wins Nobel honour [BBC NEWS]
"The burgeoning feminist movement saw it as a pioneering work and it belongs to the handful of books that informed the 20th Century view of the male-female relationship," the Swedish Academy said.
But Lessing herself has distanced herself from the feminist movement.
The content of her other novels ranges from semi-autobiographical African experiences to social and political struggle, psychological thrillers and science fiction.
BBCによると、フィリップ・ロス/Philip Roth の下馬評が高かったようだ──賭けていた人たちにとっては「ポートノイの不満」だろうな。
ところで、ドリス・レッシングと言っても『破壊者ベンの誕生』しか持っていないので、スウェーデン・アカデミーの評価がいまいちピンとこない。別の作品も読んでみたいと思う。
いちおう ↓ が『破壊者ベンの誕生 (新潮文庫)』の新潮文庫版だ。「次のノーベル文学賞」に期待したい英国作家*1の本と一緒に撮影した。
それとドリス・レッシングって87歳(もうすぐ88歳になる)で、ノーベル文学賞の受賞者では過去最高齢だという。以下のコメントがいい味出している。
ノーベル文学賞はドリス・レッシングさんに [朝日新聞]
発表者は「30分間(レッシングさんに)電話し続けているが、たぶん公園を散歩しているんだろう」と話していた。その後、英BBCは、レッシングさんが「死ぬ前にあげないと、と思ったんでしょ」とコメントしたと報道。また、ロンドンの自宅前でロイター通信に対して「ヨーロッパ中のすべての賞を取ったわ。ロイヤルフラッシュよ」と受賞を喜んだ。
- 作者: Doris Lessing
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*1:クライヴ・バーカー、ルース・レンデル、アンソニー・ホロヴィッツ、ディック・フランシス、ブライアン・フリーマントル、フレデリック・フォーサイス、イアン・マキューアン、ジョン・ル・カレ