HODGE'S PARROT

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スクリャービンの《ポエム・オブ・エクスタシー》



やっぱり……打撃系の音楽が好きかもしれない。蚊の鳴くようなフラジャイルなものよりも、断然。
YouTubeスクリャービンの音楽をいくつか聴いた。


(G. Imperato) Scriabin Sonata No.1 3Movt.:Presto

ピアノソナタ第1番の3楽章。こういうピアノを叩きつけるような闘争的な音楽は凄く好きだ。ベートーヴェンソナタ第13番の第2楽章がこれの元祖だろうか。何よりも重低音の響きが快感だ。


Cambry plays Scriabin Etude Op. 42, No. 5

エチュード Op.42-5 嬰ハ短調。スタニスラフ・ネイガウスの、YouTube にアップされている演奏を聴いて「投稿する勇気が出た」のだという。腕試しとして数多くアップされている Op.8-12 よりもはるかに難曲であろうこの曲の魅力が十分に伺える好演だ。ベレゾフスキーの演奏もあったけれど、こっちの方が気に入った。



Scriabin Prelude 14/11 & 3/30, Chopin Prelude 24/28, Lachini

これ、ちょっと衝撃的だった。というのもこの最初の曲が素晴らしいのだけれども、こんな曲スクリャービンにあったかな──いかにも初期・中期のスクリャービン風なんだけど……。で、よく見たら Lachini という人の《Whirlwind in Autumn》という曲だった。
Lachini ? というわけで検索したら、Fariborz Lachini というペルシア(イラン)出身で現在カナダ在住の作曲家だった。映画音楽を数多く手がけているようだ。

たまたまスクリアビン(とショパン)とのカップリングだったから、この作曲家の作品に出会えたようなもので、演奏している(そして YouTube に投稿してくれた)このピアニストに大いに感謝したい。




Scriabin - "Black Mass" Sonata, Op. 68

有名な第9番《黒ミサ》。後期の作品なので複雑極まりないけれど、じわじわと盛り上がっていく感じがたまらない。この人、他にラヴェルの《夜のガスパール》やアルカンといった難曲に取り組んでいる。



Scriabin Poème de l'extase Op. 54; Part 1

Scriabin Poème de l'extase Op. 54; Part 2

そして《法悦の詩》の二台ピアノとトランペットのための編曲。これはいい。ガラス細工のような繊細で(まさに!)青白く光るピアノの響きの中で、官能に震えるトランペットの雄弁な詩/歓喜の歌を聴くことができる。やはりピアノだけではこういった感じは出せないな。




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