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デイヴィッド・ギャレットのパガニーニ(シューマン編)



パガニーニ:24のカプリース

パガニーニ:24のカプリース


デイヴィッド・ギャレット/David Garrett(1980年生まれ)演奏による、ニコロ・パガニーニの『24のカプリース』。
といっても、た・だ・の『Paganini: 24 Caprices』ではない。あまりにも有名なこの無伴奏ヴァイオリン曲にロベルト・シューマンがピアノ伴奏を付したものだ。もっとも、ヴァイオリニストにとって「個人プレー」で称賛を浴びることの出来る数少ない楽曲なので、わざわざ「ピアノ伴奏版」を演奏・録音する奏者は、ほとんどいない。多分、あえて「ピアノ伴奏版」を聴きたがるのは、パガニーニの作品というよりも、シューマンの音楽を聴きたいというシューマン・マニアが多いのだと思う──僕もそうだ。
ピアノはブルーノ・カニーノ(Bruno Canino)が弾いている。

ただ、ここで、シューマンのピアノは伴奏に徹している。原曲のヴァイオリン部分を弄ったりしていない。有名な第24番では、ピアノ伴奏すら付していない──原曲通り無伴奏で弾かれる。主役はあくまでも「原曲の」ヴァイオリンで、それを引き立てるために、ピアノの響きが添えられる。
なので、シューマン独特のピアニスティックな効果を期待すると肩透かしするかもしれないが、しかし例えば第4番や第6番、第7番のような叙情的な曲では、シューマンのピアノがとても魅力的に響き、原曲で聴くよりもロマンティックでいいかも、と思ったりする。

デイヴィッド・ギャレットのテクニックは冴えている。音色も美しい。彼は、1718年製のストラディヴァリウス ≪San Lorenzo≫を使用している。





[DAVID GARRETT]