HODGE'S PARROT

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ヨシフ・イワノフでベルギー三昧



Sons Vn

Sons Vn


2005年のエリザベート王妃国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門第2位のヨシフ・イワノフ(Yossif Ivanov、1986年生まれ)のデビューCDを聴いた。
セザール・フランクのヴァイオリン・ソナタ、ウジェーヌ・イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、ラファエル・デーヌのヴァイオリン・ソナタという全てベルギー出身の作曲家の作品で統一、ベルギー人ヴァイオリニストとしての矜持を見せた。楽器はストラディヴァリウス≪Piatti≫を使用。


フランクのソナタは、言うまでもなく、ヴァイオリン音楽の至高の作品であり、僕の大好きな曲だ。先日もダヴィド・グリマルの演奏を取り上げたが、イワノフのこの演奏も素晴らしかった。なんといっても美音。艶やかで伸びのある音。端整なヴィブラートやポルタメントは心地いい。この曲の出来を左右するピアノ・パートも、ブルーメンタールが好演している。

イザイではその技巧をたっぷりと堪能することができる。その弓捌き──重音が格別に美しい。解説にあるとおり、イワノフはまさに「ライジング・スター」だ。
デーヌ(Rafael D'Haene、1943年生まれ)は初めて聴いたのだが、アンリ・デュティユーに師事したらしく、晦渋な現代音楽というよりもフランス近代音楽のような情感がある。こちらも爽快な響きと躍動的なリズム、多彩な音色の変化を存分に楽しめる。