HODGE'S PARROT

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デニス・ラッセル・デイヴィス指揮 ブルックナー3番



ここのところ、まるでコンクールの審査員のように、かなり集中してピアノの音に耳を傾けていたので(ときに楽譜やスコアを見ながら)、さすがに疲れた。
もう少しリラックスして音楽を聴きたいな、とアントン・ブルックナー交響曲第3番ニ短調 WBA103のCDを取り出した。(ASIN:B000I2K7GM
演奏は、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮リンツブルックナー管弦楽団。1889年第3稿のノヴァーク版使用。 
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疲れているときにブルックナー? と言われそうだけど、でもデニス・ラッセル・デイヴィス/Dennis Russell Daviesブルックナーは心地よい。清々しいと言ってもよい。ブラスはそれほど咆哮しないし、弦はしなやかに美しく響く。クリアーなサウンドだけど、ドホナーニ&クリーヴランド管弦楽団の刺激的な音ともちょっと違う。
端的に、気持ちよい──そんな感じなのだ。

デイヴィスはフィリップ・グラスジョン・ケージアルヴォ・ペルトなどの現代音楽の演奏で知られている。といっても、ピエール・ブーレーズあたりのアヴァンギャルドではなく、とくにフィリップ・グラス作品の演奏で著名、しかも作曲者の信頼も篤い、というのが重要だろう。

Philip Glass: Symphony No. 8

Philip Glass: Symphony No. 8


このアメリカの指揮者によるブルックナーは決して威圧的に迫るものではない。ふっと耳に入ってくるような、押し付けがましさがない、あえて言えばミニマル音楽のようなノリ。重厚で保守的なブルックナーのイメージを一新させてくれる。モダンでスマート……そう、なんとなく「新しく」て格好いいのだ。だからリラックスして聴くことができる。