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ダマーズ、 フルートとハープのために




フランス作曲家、ジャン=ミシェル・ダマーズ(Jean-Michel Damase、b.1928)のフルートとハープのための室内楽集を聴いた。

Jean-Michel Damase : Flute & Harp Music

Jean-Michel Damase : Flute & Harp Music

  • アーティスト: Gillian Tingay,Jean-Michel Damase,Jane Atkins,Richard Friedman,Anna Noakes,Ferenc Szucs
  • 出版社/メーカー: Asv Living Era
  • 発売日: 1994/07/26
  • メディア: CD
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1928年生まれで現在もご存命ということは、ダマースは現代音楽の作曲家と言えるだろう。で、フランスの現代音楽作曲家というと……オリヴィエ・メシアン、ピエール・シェフェールピエール・ブーレーズ、トリスタン・ミュライユといったアヴァンギャルド、あるいは、アンリ・デュティユあたりがすぐに思い浮かぶ。

しかし、ダマーズの音楽は、それらの作曲家と一線を画している。クロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェル、ガブリエル・ピエルネ、アンドレ・カプレといったフランス近代音楽の直系といった風情だ。前衛の時代にあって、進歩ではなく、古きよきフランス音楽を貫いた保守性。知性よりは感覚。現代のロココ……ギャラント。
いかに心地良く耳を楽しませてくれるか──ダマーズが作り出す響きには、最上級の洗練がある。

収録曲は、

  • フルート、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための五重奏曲(1948)
  • フルートとハープのためのソナタ(1964)
  • フルートとハープのための変奏曲”EARLY MORNING”(1980)
  • フルート、ハープとチェロのための三重奏曲(1946)


1940年代から80年代までと作曲年代には開きがあるが、曲想に開きはない。パープの多彩な響き、パンのように甘美に誘惑するフルートのメロディ。とても洒落ている。ダマーズの音楽は、ポンピドゥー・センターの地下スタジオで「製作」されるものと、どれほど違っているか。
そしてその違いが、ジャン・ミッシェル・ダマーズをマイナーたらしめているのだろう。公式サイトはないし、仏ウィキペディアにも彼の名前はない。しかし、↓のような愛情溢れる「非公式サイト」は存在する。


[The Unofficial Website of Jean-Michel Damase]