HODGE'S PARROT

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ギター版≪ゴイェスカス≫



エンリケ・グラナドスの≪ゴイェスカス≫は、スペイン音楽の精華のような作品で、そのほの暗いロマンティシズムがたまらない。画家フランシスコ・デ・ゴヤの絵画にインスピレーションを得たこのピアノ曲は、(言うまでもなく)アリシア・デ・ラローチャの演奏を愛聴している。
この≪ゴイェスカス──恋をするマホたち≫を、3つのギターのために編曲したディスクがナクソクから出た。クリストフ・デジュール率いるトリオ・カンパネラ(Trio Campanella)の演奏だ。

Goyescas El Pelele

Goyescas El Pelele


スペインの音楽だから、というわけではないが、なかなか聴かせる演奏だ。「ともしびのファンダンゴ」は、情熱的で躍動するリズムが魅力的だし、「嘆き、またはマハとナイチンゲール」の美しく陰影に富んだ情緒を表現するのに、ギターの音色は似つかわしい。爪弾きは、ため息のように響く。


それとグラナドスに関して記しておきたいことがある。彼は、第一次世界大戦中の1916年に亡くなっているのだが、これはオペラ≪ゴイェスカス≫の初演のためにニューヨークに訪れた帰路、ドイツ軍潜水艦UボートU-boat)による無差別攻撃(無制限潜水艦作戦)を受けたからだ。グラナドス夫妻の乗っていた船は沈没した。グラナドスも戦争の犠牲者なのである。第一次世界大戦において、スペインは中立国だったのに、だ。

「恋する若人たち、第1部」 Los majos enamorados, parte I :

  • 愛の言葉 Los requiebros
  • 窓辺の語らい Coloquio en la reja
  • 燈し火のファンダンゴ El fandango de candil
  • 嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす Quejas, o la maja y el ruiseñor

「恋する若人たち、第2部」 Los majos enamorados, parte II :

  • 愛と死 El amor y la muerte
  • 終曲〈幽霊のセレナード〉 Epilogo: Serenata del espectro


組曲《ゴイェスカス》 [ウィキペディア]