HODGE'S PARROT

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『ブルータス』流「西洋美術を100%楽しむ方法」



ページを開いたところ、いきなりDOLCE & GABBANA/ドルチェ・ガッバーナのセクシーな広告が眼に飛び込んできたわけだが……久しぶりの『BRUTUS』のアート特集は読み応えがあった。

BRUTUS (ブルータス) 2007年 4/15号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2007年 4/15号 [雑誌]


Leonardo da Vinci: The Complete Paintings ウフィツィ美術館の至宝、レオナルド・ダ・ヴィンチの≪受胎告知≫が、東京国立博物館で展示されているという「事件」に関連しての特集で、作品の解題(イコノロジー)から、レオナルドの生涯と作品、近現代の画家による≪受胎告知≫作品までカヴァーしている。


[Galleria degli Uffizi]


とくに宗教画を鑑賞するために必要な「イエス・キリストの生涯」が、様々な作家の作品を通して紹介されており、参考になる。西洋絵画をもっと楽しむために──そう、エンジョイするために、「受胎告知」を始めとするキリスト教美術のテーマを知っておこう。

「マドモアゼル・マリア
あなたは懐妊あそばした
あなたは夫もないくせに
男のお子さん生みになる。
大きにお邪魔さまでした、
ごめんあそばせ……」
こう言って、
天使が帰ってしまいます。


堀口大學氏の翻訳したジャン・コクトーの詩「村へ来た天使ガブリエル」の冒頭の一節である。この詩では、コクトー一流の軽妙な調子で、「受胎告知」の場面がおもしろおかしく描かれている。
「受胎告知」というのは、読者のみなさんもご存知のことと思うが、この天使ガブリエルが聖母マリアのもとへ現れ、彼女が処女のままの清浄潔白な身で、キリストを生むことになったと告げる、聖書のなかの一場面である。





澁澤龍彦『幻想の肖像』(河出書房新社河出文庫) p.58-60

Jean Cocteau (Memoire)

Jean Cocteau (Memoire)



個人的には、初めて知ったリュック・タイマンス(Luc Tuymans)という人の≪エンジェル(天使)≫に惹かれた。ウェブで調べてみたら、ベルギーの現代アーティストのようだ。アントワープにあるギャラリー、「Zeno X Gallery」のサイトで、彼の作品をいくつか観ることができる。≪エンジェル≫もある。それにしても、このギャラリー自体がとても美麗で見入ってしまった。ベルギーに行ったら、ぜひ訪れたいスポットだ。



[Luc Tuymans]


Luc Tuymans (Contemporary Artists (Phaidon))

Luc Tuymans (Contemporary Artists (Phaidon))

Luc Tuymans (Contemporary Artists)

Luc Tuymans (Contemporary Artists)




それと特集とは別だが、ギルバート&ジョージ/Gilbert & George の大規模な回顧展が、テート・モダンで開催されているとの記事があった。Gilbert and George: An Exhibition
早速、テート・モダンのウェブサイトを訪れてみると、スーツを着た二人の英国紳士─もちろんギルバート・プロッシュとジョージ・パサモアが、落ち着き払ったプレゼンテーションを披露してくれる。まるでビジネス・プロモーションのようだ──扱っている作品は過激だが。

Gilbert & George: New Testamental Pictures (Charta Focus)

Gilbert & George: New Testamental Pictures (Charta Focus)