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萱野稔人 交差する領域〜<政事>の思考〜




『国家とはなにか』の著者、萱野稔人氏(社会哲学)のコラム/メッセージが講談社の「yomone!(ヨモーネ!)」で連載されている。つい先日知って、夢中で読んだ。フーコーとかネグリとかガタリの文字を背景に、著者の近影がクールでキマっている──『THE MATRIX』のようだ。もちろん、「感じる」(情動の)文章だ。

第6回 価値判断と認識」で以下の発言がとくに印象に残った。引用させていただく。

暴力のロジックというのは人間の価値判断をどれぐらい超えていて、どこからそれに従うのだろうか。

 こうした問題に答えを見いだすためには、まず価値判断をカッコに入れて認識を深めていくしかない。当為(べき)が存在(ある)を規定するのではなく、存在が当為を規定する。社会を組み立てている要因について、価値判断をおこなうまえに、どこまでが人間の意によっては動かすことができなくて、どこからが動かすことができるのかを、まずは理論化しなくてはならないのだ。価値判断はそのうえではじめて有効となる。


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『国家とはなにか』

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