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……にもかかわらず、DGSE と CIA の関係は極めて良好




朝日新聞の記事(電子版)に、「シラク仏大統領の腹心」ドビルパン首相とドストブラジ外相によるアメリカのイラク政策を批判する記事が載っていた。

仏の首相米のイラク政策批判 「米はイラクで失敗した」 [asahi.com]

フランスのドビルパン首相とドストブラジ外相が6日、相次いで米国のイラク政策を名指しで批判した。ドビルパン氏は、03年のイラク戦争の開戦当時、外相として攻撃反対の急先鋒だった。

 ドビルパン首相は英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)で「米国はイラクで失敗した。03年に私はシラク大統領と共に『軍事的な手段でイラク問題は解決しない』と言ったではないか。03年に言ったことは、07年にも通用する」と米国の失敗を厳しく指摘。「イラク民主化され平和になったら(米軍が)引き揚げると言うのはばかげている。そんな日は永遠にこない」と主張し、撤退の日程を確定させるよう求めた。

ドストブラジ外相もテレビ番組で「イラクは内戦状態だ。03年以降の米国の無策のせいだ」と述べたそうだ。


現仏政権のアメリカ批判は、「フランス大統領のアメリカ批判の言述」でも触れたように、これで大統領、首相、外相と揃ったことになる。フランスのアメリカに対する「態度」は明確になったわけだ。


ところで、山田文比古『フランスの外交力』には、意外な指摘がなされている。フランスの諜報機関DGSE(対外治安総局)の同盟国に対する質の高い情報提供についてである。具体的には2002年の対アフガニスタン不朽の自由作戦」やイラク戦争における貢献だ。

イラクについても、DGSEは、大量破壊兵器の有無に関し、かなり正確な情報を早い段階からつかんでいたとされている。フランス自身は参戦しなかったが、イラク戦争の最中にもDGSEの工作員はバグダットに留まって情報収集活動を続けた。
また、DGSEは偵察衛星ヘリオスからの画像を詳細かつ正確に分析し、米英軍の進攻に役立つ情報を提供したとも言われている。こうしたことから、仏米間の政府同士の関係とは裏腹に、DGSEとCIAとは極めて良好な協力関係にある。




『フランスの外交力』(集英社新書) p.47


フランスの外交力 ―自主独立の伝統と戦略 (集英社新書)

フランスの外交力 ―自主独立の伝統と戦略 (集英社新書)



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