HODGE'S PARROT

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『のだめカンタービレ』最終楽章アレグロ・コン・ブリオ




ドラマ『のだめカンタービレ』が終わった。感動的なエンディングだった。日本のテレビドラマでこれほど感激したのは初めてのことだ。その余韻に浸りながら、いくつかのソーンを回想しながら、CDを聴いている。

まずはシューベルトピアノソナタ第16番イ短調 D.845。今日の最終回でも野田恵上野樹里)が大川の実家で弾いた曲だが、ドラマが始まる前、このシューベルトソナタは地味な曲だから、TVではやらないのではないか、と書いたことを思い出した。ピアノに触れて「調律してある」とのだめが言うセリフも印象的だった──何だかんだいっても娘のことを家族は思っていたんだな、とジーンとくるシーンだった。

演奏はそのときにも書いた、ラドゥ・ルプーのもので。

Schubert: Piano Sonatas

Schubert: Piano Sonatas


サラサーテの『カルメン幻想曲』。ドラマでは三木清良(水川あさみ)が魅せた──真っ赤なドレスを身に纏い、見事な弓捌き(ボーイング)で演奏する、まさに魅惑のヴァイオリニスト! 彼女、そうとう練習したんじゃないだろうか。そういえばメリル・ストリープがヴァイオリンを弾く映画を観たことがあるが(題名は今思い出せない)、「のだめ」ドラマの「カルメン」の方がずっとキマっていた。そう、まるでアンネ=ゾフィー・ムターを彷彿とさせた。

カルメン幻想曲

カルメン幻想曲


そしてベートーヴェン交響曲第7番。千秋真一(玉木宏)の指揮も堂に入ったものだった。しかもだ。画面に映るオケの面々が、音楽にピタっと合っている──クラリネットが映るところは、クラリネットがきちんと聴こえるし、オーボエのところはオーボエが、フルートのところはフルートが……という具合に。本当にサントリーホールの演奏会を中継で観ているかのような「らしさ」があった。
この最後の演奏シーンを観ながら──長調でヴィヴァーチェアレグロの曲なのに──これほど心揺さぶられるような気分になるなんて……。指揮者、千秋/玉木も感極まった、という表情だった。楽団員たちも良い顔していた。それを見ているこちらも感無量だった。

これはもうカルロス・クライバーウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏しかない。今年は「第九」よりも「ベト7」でキマりだな。

ベートーヴェン:交響曲第5&7番

ベートーヴェン:交響曲第5&7番


最後はもちろんガーシュインの『ラプソディ・イン・ブルー』で。このテレビドラマを観ることができて本当に嬉しかった。多謝。
それと忘れていたけど、メリー・クリスマス!

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー