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独政府、「ヘロイン療法」検討中




ドイツ政府が、長期的な薬物中毒者に対し「体調改善」を目的とした無料のヘロイン提供を検討しているというニュース。
ドイツ政府、薬物中毒者への「ヘロイン療法」検討中 [ロイター/Yahoo! ニュース]
社会民主党(SPD)のベーツィング議員によれば、

「ヘロイン療法は一部の中毒者にとって最後の望みであり、生きていくための助けになる」と指摘。さらに「(同療法は)中毒者らの体調改善と社会生活安定化につながる」

しかも、左派のSPD だけではなく、保守のキリスト教民主同盟(CDU)も「ヘロイン療法」に賛成だということ。

Germany planning "heroin therapy" for some addicts [Reuter]

Baetzing said that pilot projects in seven German cities had shown that giving controlled amounts of heroin to long-term addicts was a more effective way of getting them off the drug than methadone, a drug used as a heroin-substitute.

Baetzing said the testing in the pilot cities also showed the heroin therapy had led to reduction in crime.

日本語版ではオミットされているが、ロイターの原文では、「ヘロインセラピー」により犯罪が減少するだろうとベーツィング議員の見解が述べられている。



ところで、『ニューズウィーク日本版』(2006-5・3/10号)に、ちょっと辛辣なドイツに関する記事が載っていた。シュテファン・タイル『改革するより安心したい』(Don't Worry...Be Happy!)。
記事では、まず、メルケル首相の人気ぶりが紹介される。70%という支持率は、戦後の歴代首相の中で最高だという。先日、メルケル首相が、英国大衆紙に水着姿を盗撮されたとき、普段は政権批判の先頭に立つ『ビルト』紙でさえ、「クズ野郎ども! うちの首相は物理学博士だ。アインシュタインの理論だって説明できるんだぞ!」とメルケル擁護の先頭に立った。

タイル氏は、メルケル首相がドイツ経済の自由化、規制緩和、歳出削減という「改革」を反故にした、と指摘する。自由民主党(FDP)のギド・ヴェスターヴェレ党首も「ドイツの再建プランを捨ててしまった」と失望感をあらわにしている。
しかし、その「改革の先送り」こそがメルケル首相の人気だとタイル氏はいう。自由を手放しても、生活不安から守ってくれる政府。改革よりも安心感。ドイツ国民は「ハッピーでいたい症候群」に見舞われている、と。
このままでは、ドイツは「英国病」になるかもしれない、と記事は〆る。