トイ・ピアノ(toy piano)というのは、おもちゃのピアノ、もしくは「卓上ピアノ」のことだ。スヌーピーに登場するシュローダー(Schroeder)が──人の話も聞かないで──熱心に一心不乱に弾いていたのも、その一つ。
所詮、玩具……というなかれ。ニューヨーカー誌より「アヴァンギャル・ピアノのディーバ」と称えられたマーガレット・レン・タンが、「トイ・ピアノの芸術」というCDをリリースしている。
彼女は1993年、リンカーン・センターの『Serious Fun! Festival』でジョン・ケージの『トイ・ピアノのための組曲』を演奏してデビューを飾った人物だ。
- アーティスト:Tan, Margaret Leng
- 発売日: 1997/05/13
- メディア: CD
上記のCDは輸入盤であるが、国内盤がタワーレコードから再リリースされた。「タワーレコード渋谷店10周年記念企画」の一つで、なんと1000円で買える!
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfLayoutB.jsp?DISP_NO=003904
この「TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION」。今回10枚「復刻」されたのだが、そのラインナップが、狂喜乱舞するものばかり。
例えば、ペンデレツキ&黛敏郎&ウィリアムズの作品を集めたドナルド・ハンスバーガー&イーストマン・ウィンド・アンサンブルのCD,僕の大好きなヴァイオリニスト、ヘリンク・シェリングのヘンデルとコレッリの曲、ヴィルヘルム・ケンプの「広島世界平和記念聖堂」でのオルガン演奏、タマーシュ・ヴァーシャリ(この人のラフマニノフはもっと注目されていい、と断言したい)のモーツァルト、それにハンス・ヴェルナー・ヘンツェの『ナターシャ・ウンゲホイエルの家へのけわしい道のり』……だぜ。
それでマーガレット・レン・タンの曲集であるが、ちょっとチャチでオルゴールみたいでノスタルジックなトイ・ピアノの音色が、とても心地いい。シュローダーが尊敬するベートーヴェンの『月光ソナタ』もあるし、フィリップ・グラスの「現代音楽」や、ラファエル・モステルの『星条旗よ永遠なれ』や、サティの『ジムノペディ』なんかも演奏されている。
とっておきのひとときに、彼氏と一緒にベッドで聴くのも、いいかもね。
マーガレット・レン・タンは、トイピアノによるジョン・ケージ『四季』をリリースしている。このCDはたしか『レコード芸術』で「レコード・アカデミー賞」を受賞したはずだ。
- アーティスト:オムニバス(クラシック)
- 発売日: 2000/07/26
- メディア: CD
[トイ・ピアノ関係]
- Schoenhut Toy Pianos [All About Pianos]
- Schoenhut Toy Piano Company
- トイピアノ専門店「ハルカピアノ」
- Margaret Leng Tan [Philip Glass on the Web]
- 河合楽器製作所 河合卓上グランドピアノ
- シュローダー [ピーナッツ資料館]
- Toy Piano [Baby.com]
それとこんなCDも出ているんだ!
- アーティスト:Guaraldi, Vince
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
- アーティスト:ヴィンス・ガラルディ
- 発売日: 2003/10/22
- メディア: CD
- アーティスト:小原孝
- 発売日: 2000/09/13
- メディア: CD