急にベートーヴェンの『創作主題による32の変奏曲ハ短調』を聴きたくなって、ムストネン(Olli Mustonen)のCDを聴いた。
フゥー。こんなに始終ノン・レガート、スタッカートで、刺激的に軽やかに──ときにダイナミックに──ピアノを弾けるなんて……と改めて思った。
ムストネンはロマン派の音楽でもこの調子でいく。例えばショパンとグリークの協奏曲は、あの華麗なる「ピアノの入り」のところが全然ショッキングでなくて、多少肩透かしの観もあるのだが、全編これ「バッハのように」弾いちゃうところが、凄い。
ムストネンの「凄さ」を一番感じるのは、パウル・ヒンデミットの『ルードゥス・トナリス』(Ludus Tonalis/Game of the Notes) だな。この「対位法大全」(対位法、調性およびピアノ奏法の研究)とも言うべき──タイトルと裏腹な──巨大で厳しい難曲が、本当に軽やかな「音のゲーム」のように聴こえる。
- アーティスト: ムストネン(オリ),ベートーヴェン,バッハ,サラステ(ユッカ・ペッカ),ドイツ・カンマーフィルハーモニー
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2000/12/20
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- アーティスト: Prokofiev,Hindemith,Mustonen
- 出版社/メーカー: Polygram Records
- 発売日: 1996/10/15
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- アーティスト: ムストネン(オリ),グリーグ,ショパン,ブロムシュテット(ヘルベルト),サンフランシスコ交響楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2000/12/20
- メディア: CD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- Olli Mustonen [Finnish Music Information Centre]
- Olli Mustonen [Virtual Finland]