HODGE'S PARROT

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オリ・ムストネン、軽やかに刺激的に




急にベートーヴェンの『創作主題による32の変奏曲ハ短調』を聴きたくなって、ムストネン(Olli Mustonen)のCDを聴いた。

フゥー。こんなに始終ノン・レガート、スタッカートで、刺激的に軽やかに──ときにダイナミックに──ピアノを弾けるなんて……と改めて思った。
ムストネンはロマン派の音楽でもこの調子でいく。例えばショパンとグリークの協奏曲は、あの華麗なる「ピアノの入り」のところが全然ショッキングでなくて、多少肩透かしの観もあるのだが、全編これ「バッハのように」弾いちゃうところが、凄い。

ムストネンの「凄さ」を一番感じるのは、パウルヒンデミットの『ルードゥス・トナリス』(Ludus Tonalis/Game of the Notes) だな。この「対位法大全」(対位法、調性およびピアノ奏法の研究)とも言うべき──タイトルと裏腹な──巨大で厳しい難曲が、本当に軽やかな「音のゲーム」のように聴こえる。


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲

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Prokofiev/Hindemith;Visions

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グリーグ&ショパン:ピアノ協奏曲

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