HODGE'S PARROT

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独総選挙 米英の思惑外れ

毎日新聞の記事が興味深い。引用しておきたい。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20050920k0000m030005000c.html

今回の独総選挙を米英メディアは「独だけでなく欧州の分水れい」と見ていた。対米関係改善や競争・効率重視の経済を主張するメルケル氏の下で独が独仏機軸路線を見直し、米英流のアングロサクソン型社会モデルに近づくことへの期待がにじんでいた。結果は与野党伯仲の混迷政局で、米英の思惑は外れた。


 もともとメルケル氏が過半数の国民の負託を得たとしても、独外交が大胆な転換を図る余地は少なかった。対米関係における独国民の意識変化は一政権の民心操作とは無縁の構造的なものであって、欧州連合(EU)における仏との連携は独の「国益」そのものに直結しているからだ。

政治的にも社会的にも一定の安定を達成した欧州諸国において、総選挙とは政党にとっては豊かさを支えるためのビジョン競争だ。有権者の側からみれば、痛みを伴う改革のアクセルとブレーキのバランスをどうとるかの問題である。政権のあり方次第で国際社会における独の身の置き方の微調整はあろうが、独国民の選択は未来の国内モデルをめぐる選択であり、対外路線が振幅し国際政治の不安定化を招く要素は希薄であった。政治混迷が当面続くにしても、それはあくまで、欧州的な「豊かさと安定の中の混迷」としかいいようのない現象である。