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英国総選挙、ゲイの有権者は労働党支持か

今日(5月5日)はイギリスの総選挙日。ブレア首相の3選が注目されている。

言うまでもなく、どの政党が政権を担うかは、「生活者としての」ゲイにとって、とても重要なものだ。そこで、Gay.com UK では、ゲイ、レズビアンバイセクシュアルの有権者へのアンケート調査を行っている。

Poll: Tories fail to win over gay voters [Gay.com UK]

これによると、多くのゲイの有権者は、同性愛に関する問題(gay issues)に関心があり、それが選挙行動に繋がっている。具体的な内容としては、「セクション28(Section 28)」、「age of consent」、「シビル・パートナーシップ法(Civil Partnerships)」──こういったことに対する「(過去の)政党のスタンス」が投票行動の指標になっている。

「セクション28」は、当時の首相、差別主義者マーガレット・サッチャーが制定した法律で、「<意図して>公共図書館などに同性愛に関する作品を置いてはならない」というもの。
「age of consent」は、「同意の年齢」ということだが、これは性的関係を結べる──大人同士の関係として同意を得ることのできる──法的な年齢が、異性愛関係に比べ、同性愛関係の方がより高く制定されていること(異性愛関係が16歳、同性愛関係が18歳)。これも明らかに差別的だ。
「シビル・パートナーシップ法」は今年12月に施行予定。同性婚に順ずる同性間の法的・社会的なパートナーシップを認めた法律。

この記事で注目されるのは、保守党が結構ゲイの有権者にアピールしていること(サッチャー時代とは雲泥の差だ)。
例えば、影の内閣のスポークスマン、Charles Hendry氏が、ウェストミンスターでの「ゲイ・サミット」を開催したり、保守党党首マイケル・ハワード氏が、ゲイ雑誌の『Attitude』誌に登場して「過去のイメージ」を払拭しようとしている。

しかし最近、保守党関係者 Sayeeda Warsi による「ホモフォビア発言」がガーディアン紙に曝露された。また同じく保守党の Ken Andrew 候補者による自由民主党議員Tom Brake氏に対する「攻撃」も問題化されている(Tom Brake氏はゲイの権利の擁護者として有名)。
ハワード党首並びに保守党幹部は、こういった事態に対し、収拾を図るべく行動を起こしているが、どうもいまいちアピール性にかけるようだ。
Tories accused of more homophobia [Gay.com UK]
"I understand why you would think we were against gay people" [Gay.com UK]

また Gay.com UK では、今回選挙に臨む議員の「同性愛に対する<過去の姿勢>」の調査、情報交換も行っている。
Check your MP's voting history! [Gay.com UK]


Gay.com UK の総選挙に関する記事一覧「Election 2005」
http://uk.gay.com/channel/news/election/archive/


BBC NEWS による各政党の「イシュー」一覧
http://news.bbc.co.uk/1/shared/vote2005/issues/html/grid.stm?s1=CON_UK&s2=LAB_UK&s3=LD_UK&x=9&y=11
ゲイに関する話題は「EQUAL RIGHTS」のところがメイン。労働党は、

New equality commission by 2007; passed Human Rights Act; civil union for gay couples; strengthened race relations; ban incitement to religious hatred.

と、はっきりとゲイの権利を明記している。