HODGE'S PARROT

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ベレゾフスキーのラフマニノフ

Rachmaninov;Variations/Pian

Rachmaninov;Variations/Pian


ショパンの主題による変奏曲』と『ピアノソナタ第一番』は、ラフマニノフ作品のなかではそれほど「人気のある曲」ではないだろう。事実、あまり演奏されないし──なんといってもアシュケナージの録音がない。
ま、メロディが(ラフマノニフとしては)渋いのに、「ショパン」が約30分、「ソナタ」が約40分の大曲なので、多少冗長な感じがしないでもない。それに両曲とも「律儀」に作ってあるので、主題の繰り返しに「しつこさ」を感じることも。

でもこのボリス・ベレゾフスキーの演奏はとてもいい。さすがはチャイコフスキー・コンクールの覇者だけあって、テクニックは抜群、弱音も美しく響かせる。こういうクリアでドライなタッチは好きだな。
そういえば「レコード芸術」で中野和雄が、ベレゾフスキーのリストを──あの独特のエクリチュールで、つまり褒めてるようなケナしているような感じで──レビューしていたな。「脳天唐竹割り」とか言って。
でも、そのドライでクリアなピアノだからこそ、音楽の「ソノリティ」がくっきりと聴き取れ、各音に「ときめき」を感じることができると僕は主張したいね。