HODGE'S PARROT

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『ウルトラQ』から3つのエピソード

怪獣とプロレスをするウルトラマンの前史、というわけで敬遠──というか見くびっていた『ウルトラQ』であるが、いくつかのエピソードを見て、これは面白い、と素直に脱帽した。そこには、どこか懐かしいモダンな日本と科学信仰に対する健全な批判が描かれてい…

パトリック

何の予備知識もなく、アマゾンプライムでの視聴がもうすぐ終了する映画リストに入っていた、というそれだけの理由で何気なく──手の筋肉が反射的に動いたかのように──クリックして観た映画、それがこの『パトリック 戦慄病棟』だ。いわゆるB級ホラーなのだが…

讃美歌は歌えない 〜 映画『青春の輝き』

映画の冒頭、ブレンダン・フレイザー演じるデヴィッド・グリーンは埃っぽい寂れた町のカフェで、仲間たちから仲間たち同士ならではの荒っぽい祝福を受けている。荒っぽい連中であるがゆえに表には出さないが、それでも感傷的な別れのニュアンスがそれぞれの…

2006年版『犬神家の一族』を観て

横溝正史に開眼したのは実はつい最近で、それまでは、子どもの頃に見た映画&テレビ版の『八つ墓村』あたりの印象を、子どもの頃に感じた印象のまま、ずっとそういう感じの小説なんだと勝手に了解していた。不必要に人が殺され、不必要に死体が毀損され、不…

『ザ・ファーム 法律事務所』の2つの感想

トム・クルーズは好きな俳優なので、そのことを中心に映画『ザ・ファーム 法律事務所』の感想を気楽に書こうと思った。しかし、その中のあるエピソードのことを書いているうちに、それが何かと何かをつなぎあわせ、それによって様々な思いがよぎり、キーを打…

愉しい疑似問題 〜 映画『ダ・ヴィンチ・コード』

映画『ダ・ヴィンチ・コード』を今頃になって観た。10年以上前に公開されたヒット作で、ダン・ブラウンの小説もベストセラーになっているので、ミステリーであるが内容をある程度明かしながら以下に映画を観た感想を。人類史上最大の謎を解く!映画『ダ・ヴ…

ローマ教皇と裸の男たち

TLで教わったのだけど、ローマ教皇ベネディクト16世が素敵なクリスマス・プレゼントを(たぶんゲイのカトリック信者のために)バチカンで公開してくれた。 Acrobats strip for Pope Benedict XVI, perform topless in Vatican いちおう動画がなくなってしま…

ブザンソン劇場の内側を映す眼

Twitter でお世話になっている Hadaly さんのアイコンが最近変わった。それは強烈な印象を与える「眼」の画像であった。しかも、それをどこかで見たような気が……既視感を覚えた……とても気になり、なんだか落ち着かなくなった。何の画像なのか訊ねようと思っ…

スペインで戦った日本人

BBCのテレビドラマ『ケンブリッジ・スパイズ』(Cambridge Spies)のDVDが届いたので、早速観ているところ。ガイ・バージェス、キム・フィルビー、アントニー・ブラント、ドナルド・マクリーンら「英国を裏切った」スパイたちの活躍を、BBCが英国の人気俳優…

非米的な調査員たち

トム・ケイリンによる映画『Swoon/恍惚』の映像を使ったイメージ・ビデオを見つけた。音楽は、ヴィサージ/Visage の《Second Steps》。映像はほとんど『Swoon』からのものであるが、一部にアイザック・ジュリアン/Isaac Julien の『Looking for Langston…

記憶屋ジョニー

先日、ロバート・ロンゴ/Robert Longo と「スーツ・ノワール」についてちょっと書いたが……そうだ、ロンゴといえば、彼が映画監督として撮った映画を観た記憶が甦った。『Johnny Mnemonic』(ジョニー・ネモニック)、略して『JM』。ウィリアム・ギブスン(W…

ぼくはお城の王様だ

セルゲイ・プロコフィエフというと……なんといってもピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26 だ。あの超絶技巧のピアノ──音符が多くて音を拾うだけでも苦労するのに、そこにさらに、複雑なリズムとスピード、そして、なにより力(腕力)が要求される。そして、なにや…

異邦人たちの慰め

ビデオで観たときの邦題は『迷宮のヴェニス』だった。イアン・マキューアンの小説『異邦人たちの慰め』(The Comfort of Strangers)をポール・シュレーダーが監督した映画は。脚本はハロルド・ピンターであった。 Comfort of Strangers Trailer - Christoph…

韓国版『THRILL ME』

ネイサン・レオポルドとリチャード・ローブの事件をテーマにしたトム・ケイリン監督の『Swoon/恍惚』は、僕の大好きな映画の一つで、そのモノクロの映像を見るたびに、まるでトラウマのように心揺り動かされる……と以前も書いたが、その『Swoon』のトレイラ…

「物質偏重主義第二番」と「スーツ・ノワール」

きれいな猟奇―映画のアウトサイド作者: 滝本誠出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2001/09/01メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (10件) を見るフィルム・ノワールで思い出して、滝本誠の『きれいな猟奇』(THIS SWEET SICKNESS)を読み返した…

Less Than Zero

ブレット・イーストン・エリス(Bret Easton Ellis、1964)といえば、『レス・ザン・ゼロ』が好きだった。ストーリーよりも、あの雰囲気。何も起こらないことへの不安。曖昧な罪の意識。 ああ、哀れなる紳士よ 若き日の面影はすでになく 零落した敗残の身を…

マリオネットの葬送行進曲

シャルル・グノー(Charles Gounod、1818 - 1893)と言えば、オペラ『ファウスト』や『ロメオとジュリエット』がその代表作で、また、J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》の「前奏曲 第1番 ハ長調」にメロディを付した《アヴェ・マリア》がとりわけ大人…

クララ・シューマンの愛

id:garconstupide さんがコメントで教えてくれた(ありがとうございます!)、クララ・シューマンの映画『Geliebte Clara』のことが気になって調べてみたら、なんと『ル・シネマ』他でロードショー公開されるようだ。というか昨年開催された『ドイツ映画祭20…

ファスビンダーの『聖なるパン助に注意』

Programmes さんのところより。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(Rainer Werner Fassbinder、1946 - 1982)の DVD-BOX 3 が紀伊國屋書店から出るようだ。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー DVD-BOX 3 (出稼ぎ野郎/悪の神々/聖なるパン助に注意)…

『ミルク』、アカデミー賞主演男優賞と脚本賞を獲得

Sean Penn Wins Oscar for "Milk" Acceptance Speech "I think it's a good time for those who voted for the ban against gay marriage to sit and reflect on their great shame and their shame in their grandchildren's eyes if they continue that su…

『トーチウッド』シーズン3

シーズン2でも、キャプテン・ジャック・ハークネス(ジョン・バロウマン)とイアント・ジョーンズ(ギャレス・デヴィッド=ロイド)の男同士のラヴ・シーンが眩しかったBBCのテレビドラマ『トーチウッド』。そのシーズン3「Children of Earth」のトレイラー…

"Save Me"

iChatGay Blog で紹介されていた、『Save Me』という映画が面白そうだ──何よりもまず「その図像」に目を惹いた。メモしておきたい。 [Save Me (2007) ] http://www.savememovie.com/Home.html http://www.imdb.com/title/tt0772200/ Save me Trailer 『Bosto…

われもまたアルカディアにありき 〜 『回想のブライズヘッド』

岩波文庫より、小野寺健 訳のイーヴリン・ウォー『回想のブライズヘッド』(Brideshead Revisited, The Sacred & Profane Memories of Captain Charles Ryder 、吉田健一 訳では『ブライヅヘッドふたたび』)が出た。僕にとって、グッとくる小説だ。回想のブ…

アムネスティ・フィルム・フェスティバルより

アムネスティ・インターナショナル日本で、来年2009年1月17日から18日にかけて「アムネスティ・フィルム・フェスティバル」が開催される。場所は東京都港区東新橋ヤクルトホール(→ http://www.yakult.co.jp/hall/)にて。 アムネスティ・フィルム・フェステ…

ソープ・オペラの二度目のキス

実はまだ見たことがないのだが、アメリカの CBS のテレビドラマ『アズ・ザ・ワールド・ターンズ』(As the World Turns、ATWT)で放映された、ルーク(Luke Snyder、Van Hansis) とノア(Noah Mayer、Jake Silbermann)というゲイのキャラクターによるキス・…

「フランス人よ、共和主義者たらんとせばいま一息だ!」

風邪は治ったのだけど、今日はなんだか天候が悪かったので、やはり部屋に閉じ込もって、スラヴォイ・ジジェクでも読もうと本棚から取り出してみた。 で、『快楽の転移』の中で「宮廷恋愛」について論じられている部分を読んだ。この寛容な時代、オフィスの薄…

”エル・タンゴ” 〜 ばら色の街角の男

以前、探してもどうしても見つからなかった、アストル・ピアソラの《エル・タンゴ》の動画に出会うことができた。なんだかとても嬉しい。 EL TANGO - BORGES Y PIAZZOLLA なんといってもこの幻想的な感じ──ホルヘ・ルイス・ボルヘスのテクストが使用されてい…

『イーストエンダーズ』のキス・シーン

まだ見たことがないのだが、BBCのテレビドラマ『イーストエンダーズ』(EastEnders)でもゲイのキス・シーンが放映された。 Let's congratulate the BBC on gay kissing in EastEnders | Culture | guardian.co.uk via kwoutで、『ガーディアン』の記事は、…

トム・フォード、クリストファー・イシャウッドの小説を映画化

トム・フォード/Tom Ford が映画監督としてデビューする──「グッチやイヴ・サンローランのクリエイティヴ・ディレクターを務めた」という肩書に今度は「映画のディレクター」も加わることになる。しかも、クリストファー・イシャウッド(Christopher Isherw…

『トーチウッド』 〜 最高のラヴ・シーン

先日、「ゲイ映画ベスト10」をエントリーしたが、それを更新しなくてはならなくなった。なぜなら……BBCのテレビドラマ『秘密情報部 トーチウッド』(Torchwood)を観たからだ。秘密情報部 トーチウッド DVD-BOX出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2008…