HODGE'S PARROT

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Vom Kriege

戦術失敗、戦略上等  ライス長官イラク戦争について語る

イギリス訪問中のコンドリーザ・ライス米国務長官は3月31日、ブッシュ政権の対イラク政策について言及し、アメリカは数多くの「戦術」的誤りを犯したという考えを示した。その一方で、フセイン・イラク政権の脅威に対処するための「戦略」それ自体には間違い…

平均律のヘゲモニー 狼を黙らせろ!

ピアノという楽器は1709年、メディチ家の楽器修理係だったバルトロメオ・クリストフォリが発明した。「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」(弱い音も強い音も出せる「マルチな」鍵盤楽器)がそれである。 このピアノという楽器、オルガンやハ…

観念の観念にたいする戦争〜プロパガンダ

高瀬淳一『情報政治学講義』(新評論)を読んでいる。明快で面白い。情報政治学講義作者: 高瀬淳一出版社/メーカー: 新評論発売日: 2005/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る この本は、「情報の政治性」が研究対象である。…

ベルリン国際映画祭、ボスニア映画『グルバビツァ』が最高賞

第56回ベルリン国際映画祭の授賞式が2月18日行われ、ヤスミラ・ジュバニッチ監督(Jasmila Zbanic)によるボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下のセルビア人兵士によるボスニア女性への組織的な強姦を背景に母と娘の葛藤を描いたボスニア映画『グルバビツァ』(Gr…

燃える言葉

高祖岩三郎が『現代思想』で連載している「ニューヨーク列伝」の第13回「ハーレム運動体」論(2005年12月号)で、詩人のラングストン・ヒューズについて興味深いエピソードがあった。ヒューズがゲイであり、さらに無性(エイ・セクシュアル)であった可能性─…

性見つめ、生の可能性問う  ジュディス・バトラー インタビュー

TransNews の alfayoko さんが教えてくれた、朝日新聞夕刊(2006年1月25日)のジュディス・バトラーのインタビュー記事を、図書館からコピーしてきた。記事は短いながらも、バトラーの著書『ジェンダー・トラブル』の意義や最近の論考を要領良く押さえたもの…

裏切りの理論のために

ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー『政治と犯罪』の最後の試論「裏切りの理論のために」。カフカの「法律について」の引用に続いて、挑発的で戦闘的な18の断章から構成されている。 裏切り者とは他人である 裏切りは誰もがする 裏切りのやむをえなさ …

人間嫌い、あるいは「普通の人間」嫌い

なぜ君は人民を、生活者を、普通の人間たちを憎むのか。真理のために彼らの存在が否定されなければならないのだと君はいう。嘘だ。君はただ、普通に生きられない自分を持てあました果てに、真理の名を借りて、普通以下、人間以下の自分を正当化し始めただけ…

それは血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ

ウルトラセブン第26話「超兵器R1号」について、とても参考になる解説サイトを見つけた(via.b:id:ogiso)。 「それは血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ」by諸星ダン ウルトラセブン第26話 超兵器R1号 [毛蟹の味噌並] 実は、R1号の実験に…

今年のベスト・エントリー5

衝動的に選んだ。はてなブックマークに「あとで書く」とした議論と接続させたいからだ。 愛ゆえのレイプ、愛国心ゆえのレイプ 少女マンガ、「やおい」、優性思想、ファシズム AがBの利害に反するようなやり方でBに影響を及ぼすときAはBに権力を行使する…

ネオ・リベラリズム時代の多文化主義

ネオ・リベラリズムの時代の多文化主義―オーストラリアン・マルチカルチュラリズムの変容作者: 塩原良和出版社/メーカー: 三元社発売日: 2005/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (11件) を見る まだ序章しか読んでいないの…

読書機械のリトルネロ

アマゾンの新しい「サービス」に注目したい。 米アマゾン、本をページ単位でばら売りへ [WIRED NEWS] 米アマゾン・コム社は3日(米国時間)、書籍をページ単位、章単位で販売するサービス『アマゾン・ページズ』を発表した。本を買わなくても、必要な部分だけ…

優性思想 アントニオ・ネグリの見解より

アンヌ・ドュフールマンテル(AD)によるアントニオ・ネグリ(AN)のインタビュー「<帝国>とは何か」(杉村昌昭 訳、青土社『現代思想』2003年2月号)で、ネグリが優性思想について触れていた。参考までに書いておきたい。このインタビューは現在、『…

ネットワークと戦うためには自らもネットワークの形をとらなければならない

川原泉の差別を「問題化」している最中、以下のようなテクストを見つけた。 女タラシの彼が、同性愛者を兄に持つ苦労を主人公に語り始めるんですが http://d.hatena.ne.jp/anadaana/20051029/p1 これは一体どういうことなのか? 「同性愛者を兄に持つ苦労」…

RMA とマルチチュード

米軍のB-2 ステルス技術漏洩問題は、アメリカの「軍事革命理論」(RMA、Revolution in Military Affairs)と大いに関わってくるものだ。 ところで、この RMA に対する「問題提起」は、アントニオ・ネグリ&マイケル・ハートの著書『マルチチュード』(NHKブッ…

ネグリ&ハート『マルチチュード』

アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの『マルチチュード』をパラパラとめくっていたら、ジュディス・バトラーに言及しているところがあった。 ジュディス・バトラーは比類ないほど豊かで洗練された反身体理論を構築するとともに行為遂行的(パフォーマティ…

差別主義者は、差別主義者として生き、差別主義者として死ぬだろう

昨日のエントリーで触れた『The Daily Star』の記事には、以下のようなことが書いてある。 Dalal al-Bizri, a Cairo-based Lebanese sociologist, says homosexuals in the region are more reviled than drug addicts "because homosexuality is seen as be…

隠喩としての病 「やおい」とその「語られかた」

川原泉の「ヘイトスピーチ」における「バイキン」という<言葉>の使用が、エイズという病気/疾病と関連づけられていること。このことは、「蔑称」「差別語」の使用以上に(あるいはそれらとの「相乗作用」によって、はるかに)、大きな問題であると、最近…

「反進化論」の台頭? じゃあ「精神分析」の台頭はいいのか?

「反進化論」米で台頭 渡辺久義・京大名誉教授に聞く [産経Web] ダーウィンの進化論を批判する「インテリジェントデザイン(ID)」論を学校教育に取り入れる動きが米国で広まっている。IDとは、人間の存在は進化論では説明できず、何らかの「知的存在」が…

(再送)児童書で闘う同性愛への偏見

以前書いたものだが、差別や偏見を平然と「子供が見る」マンガなどに書き込む人物や、「やおい」関係者らに読んでもらいたい内容だ。 - 『ニューズウィーク』(5月25日号)に、「児童書で闘う同性愛への偏見」という短いが、とても参考になる記事があった。…

ブリテン 『戦争レクイエム』

川原泉は「倒錯」という<差別語>を使用して、「バイキン」というまるでナチスのような言説を平然と使用している。なぜ、「倒錯」という<差別語>を、人間に対して吐けるんだ?おまえには「倒錯」と名指しされる「子供の顔」が見えないのか? 「そのような…

少女マンガと優性思想

川原泉の「ヘイトスピーチ」には、その根に「優性思想」に基づく偏見と差別があるのではないか。そして、その差別主義に塗れた川原作品を「子供に紹介する」赤木かん子にも「問題」があるのではないか、と思っていた矢先、そのことを指摘した記事を見つけた。…

シェーンベルク 『ワルシャワの生き残り』

Orchestral Works / Passacagliaアーティスト: Vienna Philharmonic Orchestra,Anton Webern,Arnold Schoenberg,Johann Sebastian Bach,Claudio Abbado,Gottfried Hornik,Vienna State Opera Chorus出版社/メーカー: Dg Imports発売日: 1993/02/01メディア: …

インリン様VSレイザーラモンHG

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20050923&a=20050923-00000007-sph-spo ハードゲイお笑いタレント、レイザーラモンHGがプロレスデビューする「ハッスル・マニア」(11月3日、横浜アリーナ)で、インリン様と激突することが22日、決定した。…

トランスジェンダー国会議員再選、NZ総選挙

嬉しいニュースです。ニュージーランド総選挙で、トランスジェンダーの国会議員、ジョージナ・ベイヤー(Georgina Beyer)議員が再選しました。alfayokoさんの「TransNews Weblog」より。NZ総選挙:世界唯一のトランス国会議員Georgina Beyer三選/与党・労働…

聖性倒錯

『猿虎日記』(id:sarutoraさん)の「郵政問題より優生問題」を読んだ。 http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20050910#p1 要するに、「健康な国民」が暗い家で「痛み」に耐え、「障害者」の方が「豪勢な家」で「楽に」暮らしている、というイメージ操作です。 …

歌野晶午の新作における同性愛差別の可能性

歌野晶午の『女王様と私』に同性愛差別的表現があるのではないか、という指摘を見つけた。メモしておきたい。 だって話がおかしくなってから主人公がホモに言い寄られて体と引き換えに助けてもらったりするんですけど、なんか「ホモならすぐSEX、ホモならそ…

シュワルツェネッガー知事、同性婚法を拒否

アーノルド・シュワルツェネッガー州知事は、カリフォルニア州上下両院において成立した同性婚法への署名を拒否することを表明した。VETO A day after Assembly’s OK, Schwarzenegger pledges to kill same-sex marriage bill GOVERNOR'S STAND: Decision to…

猿田玲衆議院議員誕生!への必要条件

衆議院総選挙も数日後に迫りましたが、FtMTGの猿田玲さんの応援サイトとして、alfayokoさんのTransNews Weblog は必見です。 猿田玲衆議院議員誕生!への必要条件1・小選挙区で勝利または、2・ア〜ウのすべての条件を満たす ア・社民党が比例北関東ブロック…

主のない槌 BOULEZ conducts BOULEZ / BOULEZ sans BOULEZ

我々はここで何について語っているのか。ガラスの破片が不毛な煌きを交わしながら夜の虚空に散らばっていくかのようなマラルメの文学空間についてか。差延が差延を生みつつきりもなく散種されていくデリダの思考空間についてか。 言うまでもなく、直接の対象…