HODGE'S PARROT

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Schumann

「シューマンを聴きながら」3

青柳いづみこ著『音楽と文学の対位法』を読んだ。第2章がロベルト・シューマン論であった──”シューマンとホフマンの「クライスレリアーナ」”。それはこんな風に始まる。 1854年2月27日、ローベルト・シューマンがライン河に身を投げる直前に書いた曲は、《主…

アンデルシェフスキのカーネギーホール・ライブ

Live at Carnegie Hallアーティスト: Béla Bartók,Johann Sebastian Bach,Leoš Janáček,Ludwig van Beethoven,Robert Schumann,Piotr Anderszewski出版社/メーカー: Virgin Classics発売日: 2009/03/30メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (1件)…

ゲザ・アンダの《クライスレリアーナ》と《ダヴィッド同盟舞曲集》

ゲザ・アンダの芸術~ドイツ・グラモフォン・レコーディングス(4枚組)アーティスト: ショパン,シューマン,リスト,ベートーヴェン,シューベルト,ゲザ・アンダ(ピアノ)出版社/メーカー: Brilliant Classics発売日: 2009/02/10メディア: CD購入: 1人 クリック: 1…

ミロシェ・ポポヴィチのシューマン

ミロシュ・ポポヴィチ(Milos Popovic、b.1985)のロベルト・シューマン作品集を聴いた。ポポヴィチはベオグラード(彼は1985年生まれだから当時はまだ存在していたユーゴスラビアという国の首都)に生まれ、現在はセルビアとベルギー*1の二つの国籍を有して…

クララ・シューマンの愛

id:garconstupide さんがコメントで教えてくれた(ありがとうございます!)、クララ・シューマンの映画『Geliebte Clara』のことが気になって調べてみたら、なんと『ル・シネマ』他でロードショー公開されるようだ。というか昨年開催された『ドイツ映画祭20…

「シューマンにおける油絵風石版印刷調のものの混在」って何だろう?

ロベルト・シューマンについて書かれたものはできるだけ目を通すようにしている。それら「シューマン論」が、僕にとって、納得のいくものであることも、そうでないことも、もちろんあるのだが。ただ、次のアドルノの文章は、どうしても意味がわからない。 マ…

フレディ・ケンプのシューマン

ロベルト・シューマンの《謝肉祭 Carnaval》 Op.9 は、もう聴き飽きたかな……なんて思っていたけれど、それでも聴きはじめると、これが凄くよくて、その小宇宙に引きこまれ、血沸き肉踊り、あっというまに30分が過ぎていた。すこぶる快感。やっぱり名曲だな、…

東独の音2 シューマンの室内楽集

キングレコードから出ている「ドイツ・シャルプラッテン」シリーズより、ロベルト・シューマンの室内楽集を聴いた。演奏は、アマデウス・ウェーバージンケ/Amadeus Webersinke(ピアノ)、ペーター・ダム/Peter Damm(ホルン)、ディートマール・ハルマン…

イリヤ・カーラーのシューマン&ブラームス

Violin Concertosアーティスト: Johannes Brahms,Robert Schumann,Pietari Inkinen,Bournemouth Symphony Orchestra,Ilya Kaler出版社/メーカー: Naxos発売日: 2008/09/30メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る このカップリングはい…

ブラームスの《シューマンの主題による変奏曲》

ドイツのピアニスト、ゲルハルト・オピッツ(Gerhard Oppitz、b.1953)によるヨハネス・ブラームスのピアノ独奏作品全集を聴いている。録音は1989年──その風貌からしてなんだかとても貫禄があるオピッツであるが、意外に「若い」ときの演奏と言えるだろう。C…

小林五月/シューマン ピアノ作品集IV

幻想小曲集 [シューマン ピアノ作品集IV]アーティスト: 小林五月,ロベルト・シューマン,----出版社/メーカー: ALM RECORDS発売日: 2008/04/07メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 目に入ったとき、これが、《謝肉祭》や《交響的練…

「シューマンを聴きながら」2

再び、フェルナン・クノップフ(Fernand Khnopff、1858-1921)の絵画『シューマンを聴きながら』を見つめながら、シューマンの音楽を聴きたくなった。 En écoutant du Schumann/listening to Schumann *1 音楽的人間は鳥の中で脱領土化する。そのとき鳥それ…

シューマンのヴァイオリン・ソナタ全3曲

アルバン・バイキルヒャー(Alban Beikircher、b.1967)による、ロベルト・シューマンのヴァイオリン・ソナタを聴いた。ピアノはベネディクト・ケーレン(Benedikt Koehlen)。Schumann: Violin Sonatasアーティスト: Alban Beikircher出版社/メーカー: Arte…

ケルビーニ弦楽四重奏団のシューマン

そういえばシューマンの弦楽四重奏曲ってまとまった録音を持っていなかったな、とケルビーニ四重奏団(Cherubini-Quartett)の二枚組CDを見つけて、聴いた。録音は1989年から1991年にかけて。Schumann:String 4tet/Piano 4teアーティスト: Zacharias,Cheru…

アンドレアス・ブランテリドのデビュー

Saint-Saens/Schumann: Vc Consアーティスト: Andreas Brantelid出版社/メーカー: EMI Europe Generic発売日: 2008/04/17メディア: CD クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る EMI CLASSICS の「Debut」シリーズからCDデビューした、スウェーデン…

ジュリアス・カッチェンのブラームスとシューマン

『レコード芸術』の「レコード・イヤーブック2008」眺めていたら、昨年はブラームスのピアノ協奏曲の「新譜」がリリースされていなかったことに気がついた。マイナーな海外レーベルからは出ているのかもしれないが、少なくとも、大手レーベルからは出ていな…

アンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタル

NHK教育「芸術劇場」でアンドラーシュ・シフ(András Schiff、b.1953)のリサイタルを観た。曲は、 シューマン : 蝶々 Op.2 ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」 シューマン : 幻想曲 ハ長調 Op.17 ベートーヴェン : …

「のだめ」で《クライスレリアーナ》 キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

何気に──ここのところちょっと惰性気味で──『のだめカンタービレ #20』のページを捲っていた。のだめカンタービレ(20) (KC KISS)作者: 二ノ宮知子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/03/13メディア: コミック購入: 6人 クリック: 176回この商品を含むブロ…

シャイー&ゲヴァントハウス管のシューマン交響曲全集マーラー版

Complete Symphonies: Mahler Editionアーティスト: Robert Schumann,Riccardo Chailly,Leipzig Gewandhaus Orchestra出版社/メーカー: Decca発売日: 2008/02/19メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る リッカルド・シャイー指揮、ラ…

ジャンケレヴィッチ『イロニーの精神』復刊

ちくま学芸文庫よりウラディミール・ジャンケレヴィッチの『イロニーの精神』が復刻するようだ。(via.悪漢と密偵) ちくま学芸文庫復刊投票2007結果発表 この本、一応哲学書なんだけど、ドビュッシーやラヴェル、モンポウなどについての著書もあるジャンケ…

シューマン ピアノ・デュオのための作品集

ロベルト・シューマンの四手&二台ピアノのための作品を聴いた。演奏はデュオ・ダコール(Duo d'Accord)。ドイツ人と台湾人のデュエットだ。シューマン:東洋の絵/アンダンテと変奏 Op. 46/ピアノ五重奏曲 Op. 44 (編曲:C. シューマン)(デュオ・ダコール)ア…

「シューマンを聴きながら」

ベルギー象徴派の画家、フェルナン・クノップフ(Fernand Khnopff、1858-1921)の描く「シューマンを聴きながら」を見ると、この女性はいったいシューマンの何を聴いて、これほどまでに深い憂い(苦悩、悲しみ、痛み)を感じているのだろうと思う。 痛みはつ…

足に注目、ペダルピアノ

YouTube でシューマンの作品を探していたら、「足鍵盤付きピアノ」(Pedal piano、ペダルフリューゲル)の映像があった。こんな楽器だったのか。《ペダルフリューゲルのための練習曲》Op.56 を、シューマンが指定した「楽器」で演奏しているのを聴くだけでは…

痛みは表象をもたない シューマンのピアノ五重奏曲第2楽章

Geheimagentさんのシューマンについての文章を読んでいたら、そこで凄い映像が紹介されているじゃないか! ルノー・カプソン、庄司紗矢香、ミッシャ・マイスキー、エレーヌ・グリモー、ラース・アネルス・トムテルによるシューマンの《ピアノ五重奏曲 変ホ長…

デイヴィッド・ギャレットのパガニーニ(シューマン編)

パガニーニ:24のカプリースアーティスト: ギャレット(デイヴィド),パガニーニ,シューマン,カニーノ(ブルーノ)出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2006/03/22メディア: CD クリック: 18回この商品を含むブログ (1件) を見る デイ…

アルゲリッチ&フレンズ『ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ2006』

毎回リリースが楽しみなアルゲリッチとその仲間たちによる『Live from the Lugano Festival』。スイスのルガーノ市で開催された音楽フェスティヴァルのライブで、この2006年版も期待を裏切らない「熱狂の時」を聴くことができた。Live From the Lugano Festi…

ヘルベルト・シュッフの『クライスレリアーナ』『鏡』

OEHMS レーベルからのデビューアルバムに、ロベルト・シューマンの『クライスレリアーナ』とモーリス・ラヴェルの『鏡』を選んだ、ルーマニア出身でドイツ在住のピアニスト、ヘルベルト・シュッフ(Herbert Schuch、1979年生まれ)。シューマン:クライスレリ…

ピエール=ローラン・エマールの『交響的練習曲』と『謝肉祭』

ピエール・ブーレーズ率いるアンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーで、オリヴィエ・メシアンの『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』やジェルジ・リゲティの『練習曲』などを得意とするピアニスト、ピエール=ローラン・エマール(Pierre-Laurent Aima…

アファナシエフの『クライスレリアーナ』『森の情景』

ヴァレリー・アファナシエフ(Valery Afanassiev、1947年生まれ)が「エリザベート王妃国際音楽コンクール」の覇者であるということは、あの過酷で「不自由」を強いられるコンクール規定──リサイタル曲は審査員に指定される、ベルギーの作曲家の曲を強制され…

ジョナサン・ビスのシューマン・リサイタル

Piano Recital: Fantasie Kreisleriana Arabeskeアーティスト: Robert Schumann,Jonathan Biss出版社/メーカー: EMI Classics発売日: 2006/10/16メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る ライナーノーツ(英語)は、フリードリヒ・シュ…